趣味性の高い数々のコレクションシリーズを刊行し続けているデアゴスティーニ。特に自動車に関するシリーズの目の付け所やクオリティは、いわゆる我々のようなプロフェッショナルの間でも評価が高く、実際私などは一度その虜になってしまった経験がある。
それは2007年にフェラーリが(この場合はレーシングチームであるから、スクーデリア・フェラーリと言った方がよいか)、フォーミュラ・ワンで3年ぶりのタイトル(ドライバーズ、コンストラクターズ共に)を獲得した「Ferrari F2007」のラジコンカーで、あの奇跡の逆転勝利の記憶がまだまだ脳裏に焼き付いていた私は、'07仕様のライコネンのヘルメット(表紙は2010年当時のレギュラードライバーであるフェリペ・マッサだったけれど)につられて、思わず創刊号を手に取った(創刊号はフロントウィングだったけれど)。そしてそのひとつひとつのディティールを学びながら楽しめることも含め、結局最後まで(なんと100号だ!)これを揃えてしまったのである。そんな風にして、趣味人の琴線をいつも上手につまびくデアゴスティーニが、再びフェラーリで魅力的なシリーズを展開した。隔週刊「レ・グランディ・フェラーリ・コレクション」がそれである。
ちなみに今回のシリーズも、かなり気合いが入っている。
その名の通り隔週刊ごとに、一台ずつフェラーリ公認のモデル付属マガジンがリリースされて行く仕組みになっている。そして全てのシリーズを揃えると、なんと60台というのである。繰り返していうが、60台(予定)である!
しかもこのモデルたちは完成品。毎号毎号組み立てる必要がないから、組み立てが苦手だったり、せっかちな御仁にはピッタリのコレクションなのだ。

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となると気になるのはそのクオリティだが、1/24スケールを選んだのは秀逸だった。切手やシールを集めるような1/43モデルの気軽さはないが、それよりディティールは精巧で、しかも1/18スケールほどかさばらない。実際スロットカーでもこのスケールは、質感の良さと手頃さのバランスがよく、人気である。
これが全て合わせて60台というのだから...全部揃えたらそれは壮観だ。
そしてそんな我々の心は、とうにリサーチ済みなのだろう。デアゴスティーニでは創刊号から第12号まで購読した読者全員に、12台が全て収まるコレクションケースをプレゼントするというのである。

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参考までに創刊号は8月30日から発売されており、トップバッターは「Ferrari F40」! 今さら言うまでもないが、それはフェラーリ社創業40周年を記念して造り出された「公道を走るCカー」であり、エンツォ・フェラーリがその開発にかかわった最後のフラグシップモデルである。
そして筆者の手元にあるのは、9月13日に発売予定の第2号、「LAFERRARI」。その後も「エンツォ・フェラーリ」(第3号 9月27日発売予定)、「F12 BERLINETTA」(第4号 10月11日)、「TESTAROSSA」(10月25日)、「DINO 206GT」、「365 GT4 BB」、「GTO」、「328GTB」、「348TB」、「F355」と、現行フラグシップモデルやV8フェラーリ、往年の名車を織り交ぜてシリーズが続いて行く。

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モデルの開口部はドアが基本で、どこが稼働するかはそれぞれ異なるようだが、細かいところではブレーキ・キャリパーがきちんと塗装されていたり、ローターがドリルドディスクになっていたりと、1/24スケールのモデルとしては、ちょっとだけ手の込んだ可愛らしい作りとなっている。

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エンツォ・フェラーリのリアカウルが開けられないのは少し残念だったが(ラ・フェラーリは開くようだ!)、それでもフラットボトムのフロアが、ドアの後ろあたりからキックアップされて行くディフューザーの形状などを観ると、「空力中心はお尻(シート)の下あたりにありそうだな...」なんて妄想が一気に膨らんで楽しかった。
もちろんそのクオリティは、デアゴスティーニが発売する単一車種の組み立てシリーズには適わないが(そういえばエンツォ・フェラーリもあった!)、休日に軽めの赤ワインでもたしなみながら眺めるには、このモデルの作り込みはちょうどよい口当たりだと思う。

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そんなときにワインの友としてちょうどいいのは、カタログ形式のマガジン。各モデルのヒストリーや、フェラーリ本社から手に入れた当時の写真、デザインスケッチなどを、大判のカラーブックで紹介してくれるのだ。
このマガジンを読めば、超マニアックと言わないまでも、そのモデルを語るには十分以上な基礎知識を手に入れることができる。

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実際筆者も大きく印刷されたV12エンジンの正面図を見て、改めてそのクランク中心位置の低さや、左右に飛び出るエキゾーストマニホールドのサイズ感、12連スロットルの搭載位置などに感銘を覚えた。
また「工場の車体部門で『348GTB』をベースにしたプロトタイプが誕生し、性能試験を実施することになったのである」なんて、知らなかった事実に巡り会うこともできた。
筆者も一応はプロだから、蔵書をひっぱりだせばこの手の画像や情報は見つけ出せるだろう。それにみなさんも、最近なら検索一発で写真をパソコンやスマホのモニターに映し出せるかもしれない。

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だがやっぱりこうした趣味は、アナログの方が断然楽しい。趣味とはそもそも「残すこと」や「集めること」にも大きな意味があるからだ。しかもそれが読みやすいボリュームの、見やすい判型を持つ一冊の本になっているのは、時代感にもマッチしている。


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そしてやはりデアゴスティーニも、そんな収集家の気持ちは熟知しており、コレクションケースと同様、小冊子専用のバインダー(こちらは販売予定らしいが)を準備している。
創刊号は8月30日(火)発売で、初回はデアゴスティーニの必勝パターンである1990円(8%消費税込み)第2号も特別価格3480円、第3号以降は4490円。この魅惑の価格設定を機に、まずは伝説のストラダーレとなった「F40」を、その手にとってみて欲しい!