こんにちは。とある編集部スタッフです。最後の最後で「ベスト記事でも作ってみたら?」という企画に参加します。といってもこの記事を担当するものだけの独断と偏見です。あしからず。

Autoblogは今年で10年目でした。10年というといろいろな変化がクルマ業界にもあったわけですが、日本の情報を中心に情報を届けるサイトとは別に、Autoblogは海外スタッフの翻訳を中心に発信していました。海外からの視点だと日本の姿はまた別にみえるし、クルマにおいてもそう感じることがあります。

イントロが長くても困りますので、記事ご紹介といきましょう!

5位 【字幕付きビデオ】意外に簡単!? 憧れの「戦車」の運転に挑戦!

オートブログのオリジナル番組『車マニアが死ぬまでにやりたいこと1001』という企画があり(英語タイトルは「The list」)そこで取り上げた戦車ネタです。この番組、ジェシーとパトリックの2人が挑戦していたのですが、ジェシーのゴリゴリの運転とテクニックはカッコよくて、回を重ねるたびにたくましくなっていってました。1001全部やってほしかったですね。(復活を楽しみに待っています)。


4位 テスラの新しい4ドア・セダンEV「モデルS」の発表会で、気になることを訊いて来た!

2013年に行われたテスラの発表会でモデルSについての記事です。5年前のときはまだEVの存在は今ほど普及もしていませんでした。この記事最後で触れている下記テキストを振りかえってみましょう。

その「携帯電話としても使えるまったく新しい何か」だったiPhoneが、やがて「新しい携帯電話」になり、「当たり前に誰もが使っている携帯電話」になっていったように、モデルSをはじめとするテスラが世の中に送り出すモノも、「新しいクルマ」となり、将来的には「当たり前に人々が乗っているクルマ」になる可能性がある。

私はこの原稿があがってきたとき、イノベーションについて感じさせられました。
この先の未来、自動車はどうなっているでしょうか。5年後、10年後、みなさんは考えたことがありますか?自動運転や、AIや、多くの技術の発展していった先ではどういった姿をしているでしょうか。



3位 【訃報】ボルボ「P1800」で520万km以上を走破したアーヴ・ゴードン氏が死去

これは今年の記事です。ボルボ「P1800」で520万Km以上を走破しているという事実だけでもう何がなんだか意味がわかりません。地球何周分なのか、月と地球への往復は何回できるのかとか、深夜に考えて眠れなくなってしまったことがあります。なにより疑問なのは職場が東京から御殿場ぐらいの距離があるようなので、その往復を日々していたゴードンさんの体力が計り知れないのと、職場の近くには引っ越しをしなかったのか、ということです。しかし本記事ではそれが趣旨ではありません。ゴードンさんはこのボルボを愛し、ずっと乗っていたという事実がすごいのです。それにしてもすごくいい色してますよね。
Autoblogではときおり海外の超イイニュースを取り上げることがしばしばあり、がんで亡くなってしまう少年のために彼の好きな車でドライブにいくとか、火事で愛車が焼けたオーナーに新車をプレゼントしたり、最近だとワーゲンのおばちゃんがビートルを愛し続けてずっと乗っていたのでフルレストアした...なんて記事をだしました。


2位 【試乗記】「いろんな意味で凄まじい...駐車場では悪夢...」 ヴェイロン16.4 GSとの旅

長いけど衝撃しかない試乗記ナンバーワンはヴェイロン。
・フルにアクセルを踏んだら、1リットルのガソリンを約8秒で使ってしまう
・うるさすぎて怒鳴り合うように大声で話さないとならない(疲れるから結局黙る)
・車内にはカップホルダーがない(ドリンクは飲み干せ)
・給油には30分はかかる(人が集まりすぎる)
 ガスを入れるのに5分、残りの25分はグランスポーツを見せびらかすショータイムに必要な時間
・この車が他のドライバーの興味を引き、そんな彼らがもっと見たいと車を近づけてくる
 はじめは自慢だったが、疲れすぎてストレスしかない
・グランスポーツを運転できる人は、宇宙飛行士が宇宙に行くのと同じくらい希少
長い記事だけど楽しく読んでくれた人は多かったです。試乗記は本当にどの記事も楽しかった。Autoblogはクルマだけにフォーカスし、ヴィジュアル面でのクルマの美しさを表現するメディアとしては群を抜く媒体だったと思います。


1位 「本当に申し訳ない!」 『トップギア』がマツダから借りたコンセプトカーを全焼

誤解している人がいまも多いのですが、トップギアは雑誌とTV番組と両方あって、雑誌はかつて人気を集めたジェレミーたちはいません。この記事はまずレア車が炎上したことが話題にはなったのですが、当時のトップギアの"あの3人"が燃やしたのではと思った人がいたことです。そうではない。
このクルマは2008年のデトロイトオートショーでデビューを飾ったマツダ「風籟(ふうらい)コンセプト」です。この記事は編集部が青ざめるほどのヒットとなり、マツダ広報に事実確認をする読者もあらわれ、驚いたことがありました。


以上、過去を振り返ってみました。

10年にもなるといろいろとあるなぁと思います。これまで執筆された原稿は約23,400本あり、1日5-6本をだしていた媒体がここまで来ることができたのも、丁寧かつ綿密な編集作業であり、細かい取材などを行ってきたからだと思います。まだ無名だった当時から比べると、取材にいったら「読んでます!」と喜んで取材を受けてくださるようになった業界の方々の対応も見ていると、有名なジャーナリストもおらず、立ち上げ時から初心者がゼロから作ってきた媒体としては良かったと思っております。

さて、クルマの話に戻るとしましょう。
媒体を始めた最初何年かはとくに円高影響もあり、日本の自動車はなかなか購入されず、そういった面で業界として苦しかった時代もありました。いまは円安になりましたが、変化した部分はここだけにとどまりません。海外のほうから先に日本のクルマの発表を行う企業も増えてきたということは注目すべき点の一つかと思います。それだけ、日本での自動車業界の関心というのは変わってきました。そうならざるを得ないのだとも思います。こういったこともあり、Autoblogがやってきた海外ネタの発信のニーズは近年高い需要があったことと、それを知りたい読者もまた多かったなと感じていました。

そして、若者の自動車離れについてですが、自動車好きが減ったわけではありません。普段よりTwitterなどの反応をみていても、学生の読者も結構多く、趣味の多様化の中、数ある選択のなかで自動車の人はきちんとどの年代にもいます。これからの自動車の未来は多様性を帯びて変化し「自動車好き」の人たちもまた変わった形であらわれることだと思いますし、情報発信していく自動車メディアもまた変わってくるでしょう。
ネットのものは無くなったら消えてしまいます。Autoblog日本版もまたその運命にあります。
ですが悲観すべきことではありません。あなた方がこれまで読んでくれたという事実こそが、媒体価値としてあったわけですから。

これまで執筆してくださったライターさん、英語版からの翻訳を担当してくださった翻訳会社さま、より多くの人にリーチさせる機会を作ってくださった配信先、読んでシェアしてくださった人たちと、すべての読者たちへ。ありがとうございました。