【試乗ビデオ】未来のクラシック! 「フォード GT」の走りを公道で試す
米国版Autoblogの編集長は昨年5月にフォード「GT」を試乗した際、それが正統なモータースポーツの栄光によってフォード・ブランドを照らす究極的フラッグシップとして相応しいクルマであると結論づけた。確かに、スペックの上ではフェラーリマクラーレンの公道用スーパーカーを凌駕しているというわけではない。しかし、どんなサーキット・イベントやカーショーでこれらのクルマの隣に駐車しても決して見劣りしない貫禄を持つ。たとえオリジナルの「GT40」の歴史を知らなかったとしても、現在のフォード GTはそれ自体が特別な印象を与えるマシンだ。

前回の試乗は、肌寒いユタの朝、冷えたサーキットと短い公道での時間を組み合わせたものだった。そして今年の夏、我々は丸一日をGTと共にし、ロサンゼルス全域が我々の遊び場となった。我々はまず、エンジェルス・クレスト・ハイウェイに向かったが、その理由の1つはオーハイ北のマリコパ・ハイウェイが火災によって閉鎖されていたためで、もう1つはこちらの方がサンガブリエル山脈にずっと近いからだ。今回の目標は、先代やライバル車との比較から一歩離れ、GTを山道に解き放ち、少々轟音を響かせながら、前回とは違う状況で走らせることだ。

サーキットで育まれ、サーキットで磨かれたこのマシンは、現実的な公道でも耐えられるだろうか。エンジェルス・クレストは楽しいが、公道としては先が読めず走りやすいわけではない。狭くて曲がりくねっており、コーナーの途中にグラベルやダートといった潜在的な危険が現れることもある。ガードレールは必要と思われる場所にいつもある訳ではない。GTがその限界を超えて安全に走れる場所でもなく、クルマではなく道路に集中して走らないと、危険は許容範囲を超えるだろう。

今回分かったのは、下の映像でご覧頂けるように、このGTが驚くほど多面的な要素を持つクルマであるということだ。私はロサンゼルス名物の交通渋滞の中で耐え難い1時間を過ごしたが、私のイライラをよそに、GTは平然としていた。そして、いよいよ適度なスピードで山道を上っていくと、GTは騒々しくも好ましいサウンドを響かせる。率直に言って、V6ツインターボ「エコブースト」エンジンとデュアルクラッチ・ギアボックスは騒音が多い。それぞれ個々の音は荒々しく、ひょっとすると不快に感じるかもしれない。だが、それが一緒に奏でられるとピュアで喜びにあふれたコーラスに転じる。インテリアも同様だ。目を凝らすと、私が否定的な意味で使う"ロータスっぽい仕上がり"が見える。だが、全体的なデザインはとても大胆で目的意識がはっきりしており、楽しく時間を過ごせる場所になっている。

【ビデオ】未来のクラシック! 2018年型フォード「GT」レビュー、公道では当ブログ初試乗
エクステリアは曲線が際立ち、リア・フェンダーとルーフをつなぐ支柱の下が開いているデザインが非常に目を引く。ブラックという色はGTの見事なボディラインをひけらかすには考え得る限り最悪のチョイスだが、それについて我々が出来ることは何もない。

GTがレース仕様だけでなく公道仕様車でも、サーキットで優れた走りを見せることは既知のとおりだ。だが、今回の旅で分かったのは、GTが"一面的なスーパーカーではない"ということである。公道では攻める走りをしなくても十分に楽しめる。渋滞に巻き込まれても酷いことにはならない。砂利が浮いた路面を飛ばしても怖くない。そして最も重要なのは、GTを満喫するためにはその能力を限界まで引き出す必要などない(そもそも公道ではほぼ不可能だが)ということだ。

GTに関して残念なのは、札束で膨らんだ財布を持っていなければ手が届かないということ、そして読者の皆さんに私と同じ体験を共有していただけないことである。せめて動画で少しでも公道での走りを感じてもらえたらと思う。



By ALEX KIERSTEIN
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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