Project Eifel Geist - Nurburgring Lap Record Attempt in a Northgate van
ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)でバンを見かけることは珍しくない。ブルンヒェンのコーナー付近でコーヒーをすすり、カリーヴルストやフライドポテトをつまみながら過ごせば、スーパーカーやホットハッチ、サーキット走行用レンタカーに紛れて白いバンが周回するのを少なくとも1回は見られるはずだ。これまでバンのドライバーがニュルブルクリンクを10分以下で周回することは不可能とされ、最速の記録でも10分8秒だった。2015年に『トップギア』でサビーネ・シュミッツが少しだけ改造を施したフォード「トランジット」を走らせた時の記録だ

しかし今、商用バンの"10分の壁"は崩れ去った。英国人ツーリングカー・ドライバーのロブ・オースティンが、最高出力148hpのフォルクスワーゲン(VW)「トランスポルター」ターボディーゼル搭載モデルを借りて、9分58秒というタイムを達成したのだ。これが簡単でなかったことは以下の映像でもご確認いただけるだろう。事実、2日間のテストを経てようやく成功に至ったのだ。しかもオースティンが記録に挑戦する間、サーキットはガラ空きではなかった。そしてこのトランスポルターにはパフォーマンスを向上させる改造が施されていなかったので、オースティンと彼のチーム・メンバーたちは助手席やスペアタイヤなどを取り除き、余分な重量を削減することにした。

留意していただきたいのは、下の映像でタイム・アタックを行っているバンは確かにレンタルした物だが、これはオースティンが参戦するBTCC(英国ツーリングカー選手権)のスポンサーであるレンタカー会社のノースゲート・ビークル・ハイヤーから提供されたバンだということ。通常、普通のレンタカーをニュルに持ち込むのは非常に不味い考えだ。レンタカー会社は借り手がニュルを周回することを好ましいものと見なさない。サーキットで目撃されるレンタカーは、販売目的でプロのカメラマンに記念写真を撮られることがほぼ確実で、写真がネットに載れば、レンタカー会社はその違反者に非友好的な手紙で連絡を取ってくる可能性がある。もし、そのレンタカーをニュルでクラッシュさせるなんてことになれば、更に大きなトラブルに発展するだろう。

幸いなことにサーキット周辺では、多くのレンタカー会社がこうした機会のためにサーキット走行用のクルマを貸し出している。だから、サーキットを走らせるクルマが無い状態でニュルブルクリンクに到着しても、ひと走りするクルマを見付けるのは容易いことであり、インストラクターまで付いてくることもしばしばだ。



By ANTTI KAUTONEN
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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