米国でホンダ車のエアバッグ盗難が多発 近年の「シビック」や「アコード」が狙われる
クルマ泥棒にとって今、最も熱いターゲットは、ステアリング・ホイールの中に装備されたエアバッグらしい。理由は明確には分かっていないが、現在はホンダアキュラの最新モデルが特に狙われているようだ。

米国の一般紙『USA Today』では、こうした犯行を働く者がエアバッグを盗むのは比較的新しいホンダ車が多く、インターネットで販売したり修理工場との闇取引によって利益を得ることがその目的であると報じている。全米保険犯罪局(NICB)の推算によれば、今年になってから約5万個のエアバッグが盗まれており、マイアミやニューヨーク・シティ、ワシントンDCの警察がこの種の犯罪に目を光らせているという。

『USA Today』が入手した警察の記録によれば、2017年にはマイアミ・デイド郡で875個のエアバッグが盗まれているが、その数は2013年から13個増加しているという。ワシントンDC近郊のバージニア州郊外では最近、共同住宅でホンダ車10台の窓が壊され、エアバッグが盗まれた。巡査部長のジョナサン・ブライアント氏がFOXニュース系列の地元テレビ局に語った所によると、盗まれたホンダ車のエアバッグは、多くが盗難車を分解して部品を売りさばく"チョップ・ショップ"と呼ばれる業者の手に渡り、300〜500ドル(約3万4,000〜5万6,000円)程度の値を付けるとのことだ。

オークション・サイト『eBay』の商品一覧には、ホンダのエアバッグ内蔵ステアリング・ホイールが700ドル(約7万9,000円)という高値で販売されているのも見つかるが、多くはそれより数百ドル下回る価格だ。ディーラーで交換用のエアバッグ内蔵ステアリング・ホイールを購入すれば1,000ドル(約11万3,000円)近くかかる。多くの不心得な修理工場は、盗品エアバッグを新品と偽って装備し、オーナーや保険会社に費用の全額を請求するだろう。保険詐欺のパターンだ。

昨年、フロリダ州コーラルスプリングズの警察は、近隣住民の利用するSNS「Nextdoor(ネクストドア)」で警告を発した。ホンダやアキュラのクルマを所有する住人に、ガレージもしくは明るい場所に駐車するか、あるいは「所有車がもう1台あるなら、ホンダやアキュラの運転席側のドアに出来るだけ寄せて駐車してください」と投稿したのだ。「エアバッグの盗難増加が確認されています。アキュラおよびホンダ車が主な対象です。犯人(たち)は大抵、バッテリーを切ることでアラームを解除し、運転席側のドアロックを強打して破壊するか窓を破ります。彼らがエアバッグを盗むのにかかる時間は5〜10分と見られています」と投稿は続く。

エアバッグの盗難が明らかに増加している背景には、昨今のエアバッグ関連リコールの多さがある。破裂の危険性がある約5,000万個のタカタ製エアバッグインフレーターのリコールもこれに含まれ、サプライヤーらは新パーツを作ることに追われている。このことが交換用パーツの需要増加につながっていると思われる。

盗難の対象となるクルマは近年のホンダ車やアキュラ車が多いが、なぜホンダ車が標的となるのか、その理由は分かっていない。ホンダはタカタのエアバッグ欠陥問題から大きな影響を受けており、米国だけで約1,290万台のホンダとアキュラの車両がリコールの対象となっている。これまでタカタ製エアバッグの異常破裂によって全世界で23名の死亡が確認されているが、そのうち20名の事故はホンダ車で起きている。しかし、その件と近年のホンダ車でエアバッグ盗難が多発していることの関係性は不明だ。NICBも両者を結びつける根拠となる数字は追えていない。ホンダの広報担当者は『USA Today』紙の取材に対し「タカタ製エアバッグのリコールと最近のエアバッグ盗難の増加との間に関係性はないはずだ」と語っている。


By SVEN GUSTAFSON
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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