ポルシェの次期型「911」は全車ワイド・ボディとなり、前後で異なるサイズのホイールを採用
Related Gallery:2020 Porsche 911 Carrera spy shots

米国の自動車雑誌『Car and Driver』は、ポルシェの992型と呼ばれる次期型「911」のプロトタイプで走行テストを行うエンジニアに同乗し、最高出力の数値からトランスミッションのギアが追加されるという情報、そして前後で異なるホイールのサイズまで、数多くの真相を入手した。

同誌によれば、次期型「911 カレラ」は全てワイド・ボディとなり、72インチ(約1,829mm)のリア・フェンダーを装着するという。これまでポルシェは、4輪駆動モデルや高性能版の「GTS」にのみワイド・ボディを採用し、ベース・モデルの「カレラ」や「カレラS」と差別化してきた。フロントのトレッドも現行型より1.6インチ(約40.6mm)ほど拡がり、これを覆うフロント・フェンダーもワイドになる。

また、ホイールの幅は前8.5インチ/後11.5インチと現行型と同じだが、ホイールの径が次期型カレラは前19インチ/後20インチ、カレラSは前20インチ/後21インチと、「RS」以外の911で初めて前後で異なるサイズになる。『Car and Driver』の記者が同乗した次期型カレラSのプロトタイプには、前245/35R20、後305/30R21というサイズのピレリ「Pゼロ」タイヤが装着されていたという。ポルシェのスポーツカー部門でヴァイス・ブレジデントを務め、992型のプロジェクトを率いるオーガスト・アクレイトナー氏は「911のようにリアが重いクルマでは、後輪のグリップを向上させるため、あらゆる手段を講じることがハンドリングを著しく向上させることになる」と語っている。

992型のホイールベースは現行の991型から変わらない(つまり2,450mm)が、フロントのオーバーハングが伸びたことで全長は約25mm長くなる。車両重量もほぼ同じということだが、992型のフェンダーはアルミ製となり、現行のスチール製と比べると10~15kgほど軽くなっているという。

ターボチャージャー付きの水平対向6気筒エンジンは、インタークーラーが現行型の左右リア・フェンダーに分割されたタイプから、大型化して中央に搭載する形式に変わり、エキゾースト・マニホールドは現行のプレス成型二重管式スチール製から鋳鉄製に変更された。さらに現行の機械式直接燃料噴射装置はピエゾ式に替わり、より緻密に燃料噴射を制御できるようになった。これらの改良によって圧縮比は現行の10.0:1から10.5:1に引き上げられた。カレラのターボチャージャーは現行型と変わらず、49mmのコンプレッサーと45mmのタービンホイールだが、カレラSは現行の「カレラGTS」と同じ、55mmのコンプレッサーと48mmのタービンホイールに変わった。以上のような数々の改良が施されたことで、カレラSの最高出力は420psから450psへ、カレラも370psから385psに向上した。

トランスミッションについては、マニュアルは従来と同じく7速だが、拡大した後輪の直径に合わせて最終減速比が調整される。デュルアクラッチ式「PDK」は、これまでの7速から8速になる。ただし、これは燃費やパフォーマンス向上を狙ったためではないらしい。「パナメーラ」用をベースにした新型8速PDKは4シャフトを使った設計で、従来の2シャフトの7速PDKよりも全長が短く、同じハウジングの中に収めるとスペースが余分に確保できる。そこに電気モーターを搭載したハイブリッドの911が、後から登場するというわけだ。ただしこの8速PDKのギア比は、パナメーラのようなワイドレシオではなく、従来の7速の範囲に8速が収まるようにギア比が変更されるという。

コクピットは新しいPDKに合わせてシフトレバーのデザインが変わったのは良いとして、マニュアル・トランスミッションのシフトノブが、従来のレザーとメタル調を組み合わせた物から単なるプラスチックに変わったこと、ヘッドライナーのマイクロスエードがオプションになり、標準は高級感のないクロスになったこと、そしてセンター・コンソールに貼られたピアノ・ブラックのパネルは、見た目は良いけれど傷つきやすそうなことに、『Car and Driver』の記者は不満を抱いたようだ。インストゥルメント・クラスタは伝統の5連メーターだが、今や物理的な針が備わるのは中央のタコメーターのみで、その両側はデジタル・ディスプレイに表示される。また、安全面に関する新しいオプションとして、ナイト・ヴィジョン・システムが採用されるという。

新型911は11月末のLAオートショーで正式発表となり、まずは欧州で2019年3月より、PDK仕様のカレラSとカレラ4Sから発売される。続いてそれらのカブリオレが登場する予定だ。マニュアル・トランスミッション仕様や、より安価なカレラまたはカレラ4が欲しいなら、2019年後半まで待たなければならない。


By JONATHON RAMSEY
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

■関連記事
ポルシェの次期型「911 GT3」テスト車両をニュルブルクリンクで目撃!

ポルシェの次期型「911 カレラ」と「911 カレラS」、大きな可変リア・スポイラーを露わに走行テスト中!

ポルシェ、新型「911 スピードスター」を2019年に発売すると発表! 新たなスタディ・モデルも公開

■関連動画