F1エンジンを搭載する「メルセデスAMG ワン」の開発は9カ月遅れに 排出ガス規制の対応に苦心
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フォーミュラ・ワン(F1)のエンジンを公道用車に搭載するというのは非現実的なことに思える。メルセデス・ベンツは今、これを「メルセデスAMG ワン」でやろうとしているが、エンジニアたちはそれが実際にどれほど難しいかということに気付かされているようだ。排出ガス検査に合格することが最大の難関だ。かつて「プロジェクト・ワン」として知られていた同車は、この問題に直面したことで、開発が全体的に9カ月ほど遅れているという。

AMGのトビアス・ムアースCEOは、英国の『トップギア』誌によるインタビューで、安定したアイドリングを得ることが最も難しいと語っている。

「1,200rpmでアイドリングを安定させることは困難です。簡単な例を挙げると、F1ならアイドリング回転数が5,000rpmで、誰も排出ガスのことなど気にしません。しかし、公道を走る認可を取得するためには1,200rpmのアイドリングで排出ガスの規制をクリアしなければなりません。適切な回転数で、安定したアイドリングが必要なのです。アイドリングが不安定になると排出ガスも不安定になります」

目標が最大のパワーを発生させることであれば、排出ガスはそれほど重要ではない。それでも1,200rpmといえば公道用市販車のアイドリング回転数としてはかなり高い。しかし、このエンジンでそれを実現することはAMGにとっても、またその顧客にとっても間違いなく価値がある。開発が9カ月遅れるのを顧客は待ってくれるだろうか、という質問に対し、ムアースCEOは次のように答えている。「彼らが私に何と言ったかわかりますか? 『このクルマを必ず成功させてください。​​​​我々は過去にもハイブリッドカーで経験していますから。時間をかけてください』」

その期待に応え、メルセデスは依然としてF1エンジンを搭載した驚異的なハイパーカーを発表しようとしている。その開発が順調に進まなくても、誰も驚きはしないだろう。F1エンジンは公道で使うために開発されたわけではないのだから。


By ZAC PALMER
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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