2018 F1 Japanese GP
2018年のF1日本グランプリは、鈴鹿サーキットでの開催30回記念大会ということでホンダが冠スポンサーとなり、さらに2020年までのF1開催延長が決まったこともあり、例年以上に活気ある日本グランプリになりました。

とくに、中学生以下の観戦料金を指定席で3000円という思い切った価格設定にしたことで、例年以上に子連れの観客が多く訪れていました。この記事では、2017年に引き続いて今回も小学5年生の息子を連れて出かけたF1グランプリ観戦の模様をお伝えします。


年に1度のF1日本GPとはいえ、小学生の息子は授業を欠席させることはできません。よって、今年もFP3が始まる土曜日の朝からの参加となりました。
2018 F1 Japanese GP
 
この日は台風25号が日本海上を通過していたこともあり、低い雲がものすごい速さで空を過ぎ去り、断続的な雨がもたらされる生憎の天気。しかし、8時30分のゲートオープンを待ってサーキットに入ると、開場時間が30分早い正面ゲートから入場した観客たちですでにGPスクエアは活気に満ち満ちていました。
 
2018 F1 Japanese GP
 
われわれが最初に向かったのはGPスクエア。雨が時折り強く降るため、まずは雨宿りを兼ねてホンダブースに展示されたマシンを見学することにしました。

そこにはアイルトン・セナが乗ったマクラーレンMP4/6(1991)、ジェンソン・バトン選手のBARホンダRA106(2006)、中嶋悟のロータス99T(1987)の3台が並び、大勢のファンがその勇姿を写真に収めています。
 
2018 F1 Japanese GP
 
その隣のテントにはトロロッソ・ホンダチームが2017年のマシンにホンダエンジンを搭載したSTR12テストカーも展示されています。

ここでは記念写真を撮影できるとあって、順番待ちの行列が作られています。ところが、ちょうど順番待ちの列がテントとテントの間だったため、ときおり落ちてくる雨粒に濡れながら待たなければならないのは少々困りものでした。
 
2018 F1 Japanese GP

ホンダブース一番奥、イベントステージ脇のテントには、第1期ホンダF1の最後を締めくくったマシンRA301(1968)が佇んでいました。カーナンバーから、このマシンはデモランなどで度々登場している車体ではなく、展示用に保存されているものであることがわかります。

2018 F1 Japanese GP
 
一通りホンダブースを見学したところで、イベントステージでは中嶋悟監督、鈴木亜久里監督、そしてインディカードライバーの佐藤琢磨選手のトークショーが始まりました。それぞれがF1を走っていた頃の話に花が咲き、特に大御所2人の1990年の日本GPのエピソードはかなりコミカルに脚色?されて観衆を沸かせていました。

さて、われわれはここでいったんGPスクエアを離れ最終コーナー方面へ。目的は「アドバンスカート」。思えば2017年の日本GPではじめて子供用のゴーカート「コチラレーシングカート」に乗った息子。その後も数回、鈴鹿サーキットへ来てはコチラレーシングカートにチャレンジし、やっとの思いで1stライセンスを獲得していました。そして身長が規定の140cmを越えたのを機に、ステップアップとばかりに隣接する大人向けのレーシングカート「アドバンスカート」の講習も受けていたのでした。

しかしこの8月1日、アドバンスカートは10月いっぱいで営業を終了してしまうことが発表されました。せっかくライセンスを取ったのにもかかわらず、その後一度も乗る機会がなかった息子は、日本GPでは必ず乗ると心に決めて来ていたのでした。

アドバンスカートは日本GPのチケットで代用できるモートピアパスポートでは乗れません。F1日本GP期間中は7周で2000円という特別価格設定です。40分ほどの時間待ちでようやくたどりついた7周を満喫した息子は、父親よりも速いラップタイムも記録して、ご満悦でF1のFP3のためにA1席へと向かったのでした。
 
2018 F1 Japanese GP
 
今年初の生F1となるFP3セッション。昨年も感じたことではあるものの、エンジン音こそNA時代に比べると控えめながら、マシンが空気を切り裂き、路面を蹴る「ゴオオォォ」という音、そしてターボチャージャーのキーンという音が折り重なって、独特の迫力で最新マシンが目前を駆け抜けてゆきます。現地観戦でないと味わえない雰囲気、スピードはやはり格別です。

2018 F1 Japanese GP
 
雨に濡れつつも、FP3で1年ぶりのF1の走りを堪能した後は、レジェンドドライバーやF1を目指す若手選手たちが見られるということで、再びGPスクエアでのトークショーへ。

2018 F1 Japanese GP

まずはデモランイベント「Legend F1 SUZUKA 30th Anniversary Lap」のために来場したフェリペ・マッサ選手。2017年はウィリアムズチームのドライバーとして来ていたマッサ選手でしたが、今回のデモランでも「まだまだ現役!」とばかりに全開走行を披露してファンを喜ばせてくれました。

2018 F1 Japanese GP

マッサ選手の後は、F1直下のカテゴリー、F2に参戦中の日本人ドライバー2人、福住仁嶺選手と牧野任祐選手が登壇。欧州でどのような日常を送っているか、牧野選手に手料理を作る福住選手という、誤解を招きそうな2人のプライベートな関係といった話題を中心に話は弾み、場内は温かい雰囲気に包まれていました。

2018 F1 Japanese GP

そして、3セッション目はミハエル・シューマッハの真のライバルだったミカ・ハッキネン氏のトークショー。話の最中、ぐずつき出した天気に観客を気遣うハッキネン氏からは人柄の良さがにじみ出ているように見えました。

たて続けにトークショーを見たあとは、すぐに予選の時間 です。息子の注目はやはり、ホンダPUを搭載するトロロッソチーム、そしてチャンピオン争いで崖っぷちに立たされつつあるフェラーリが、ここ数戦圧倒的な力を見せつけているメルセデスAMG F1チームに一矢報いることができるかというところでした。
 2018 F1 Japanese GP

結果はこの記事をご覧の方ならご存知のとおり、トロロッソ・ホンダチームが予選6,7位の大躍進の一方、チャンピオン争い土俵際のセバスチャン・ベッテル選手が9位に沈む波乱の結果になりました。

2018年にホンダPU搭載が決まっているレッドブルチームでは、ダニエル・リカルド選手のレッドブルRB14がトラブルでQ2を走れず後方に埋もれるなど、いろいろと決勝レースが面白くなりそうな予選結果になりました。

2018 F1 Japanese GP

さて、予選後は過去29回の鈴鹿日本GPを駆け抜けたF1マシンによるデモランイベント「Legend F1 SUZUKA 30th Anniversary Lap」...だったのですが、ここで子ども連れだけが参加できる「キッズピットウォーク」待ちの行列が早くも最終コーナーからシケイン方面に伸び始めているとの情報が。

2018 F1 Japanese GP

ここはお父さん向けイベントのデモランは諦め、ピットウォークへ向かうことに。このキッズピットウォーク、2017年も開催されましたが、2018年は親子連れの大幅な増加で行列も驚くほどの長さに。それでも入場規制はされなかったようで、時間が来れば入場の列は順調にピットロードへと流れて行きました。

2018 F1 Japanese GP

キッズピットウォークでは、車検待ちのマシンが手の届きそうなところで待機しているのが見られるので、ドライバーよりもマシンが好きな子どもには非常に喜ばれます。

2018 F1 Japanese GP

予選で活躍したブレンドン・ハートレー選手のトロロッソ・ホンダSTR13もここに。よく見るとすべてのマシンのタイヤが地面から浮いています。これは押して動かしやすいよう、フラットな台車に載せられているため。2017年のキッズピットウォークでみたときもやはり同様でした。

2018 F1 Japanese GP

さらに、フォースインディアVJM11 2台とピエール・ガスリー選手のトロロッソ・ホンダSTR13。左奥にはフェラーリSF71Hも見えます。

2018 F1 Japanese GP

また、ピットには予選でクラッシュしたマーカス・エリクソン選手のザウバーC37や、トラブルが発生したダニエル・リカルド選手のレッドブルRB14がマシン修復作業中でした。

2018 F1 Japanese GP

ひとしきりピットウォークを楽しみ、すっかり夜の帳が降りたころには、グランドスタンドでも前夜祭が佳境を迎えていました。今年は鈴鹿10時間耐久レースでも話題になったグランドスタンドでのペンライト貸出しがあり、ピット側から眺めると非常に美しい光景が見られました。

2018 F1 Japanese GP

この後はGPスクエアでトロロッソのドライバーたちのトークショーがあるとのことで移動してみたものの、予想されたとおりこの日一番の観客があつまったため、身長の低い息子はステージが見えず...。仕方ないのでかろうじて人々の間から見えるスクリーンを眺めて、この日はサーキットを離れることにしました。

開けて決勝日の朝。この日は最もゲートオープンが早い正面ゲートへと向かってみました。しかし、開場の約15分前に到着したにもかかわらず、すでに入場待ちの列は350mほど離れた駐車場にまで到達していました。
2018 F1 Japanese GP

それでも、開場してしまえば流れは早く、あれだけいた人々はものの10分ほどで場内へ吸い込まれて行きました。

2018 F1 Japanese GP

モートピアを通り抜けてサーキットゲートへと向かう途中には、過去29回の名シーンが掲示されており、子どもを連れたお父さんが「あ、このとき見に来たよ!凄かったんだ」と子どもたちに話しかけていたりするのが印象的でした。こういう小さな工夫も、親子観戦の満足度向上に一役買っていたようです。

この日の予定は決勝レースのみ。息子はまずGPスクエアのJAFブースで行われていたイベントに参加。これはJAF会員ならスマートフォンのJAF会員証アプリをインストールするだけで、本格レーシングシミュレーターを体験できるというもの。早速アプリをインストールして、息子にチャレンジさせてみます。
2018 F1 Japanese GP

すると日頃からプレイステーション4の「グランツーリスモSPORT」に慣れているせいか、コースアウトもせずそこそこの走りを見せる息子。これには親バカながら感心させられました。そして、これが息子のドライビング欲に火をつけてしまったのか、残りの空き時間はカート三昧に。結局この日も「Legend F1 SUZUKA 30th Anniversary Lap」を見ることは叶わなかったのでした。

なお、GPスクエアには他にも「F1 FANZONE」エリアでF1 Esports、ピットストップチャレンジといったイベントが開催されていました。これらイベントの優勝者にはパドックパスがプレゼントされるとあって、参加希望者が列をなして挑戦し、活況を呈していました。

さて、そうこうするうちに決勝レース。期待のトロロッソ勢の戦いぶりに注目してみたものの、終わってみれば2台とも入賞圏外という尻すぼみのレース展開。さらにチャンピオン争いを盛り上げるためにも踏ん張ってほしかったフェラーリ勢も、ともにレッドブルのフェルスタッペン選手に撃沈される格好でいいところなしという結末。
 
2018 F1 Japanese GP

それでも、20台ものF1マシンが、ときに並走しながら目前をすっ飛んでいくのを見られるだけでも、普段は得られない興奮がありました。さらに、路面にフロアを擦って火花をちらした後には鼻につく金属臭が風に乗って客席へ流れてきたり、現地ならではの臨場感はやはりテレビ観戦では味わえないものでした。
 
2018 F1 Japanese GP

その点は息子も同じだったようで、ルイス・ハミルトン選手の圧勝に終わった"いつもどおり"のレースではあったものの、レースを見終わったその顔は満足気でした。
 
2018 F1 Japanese GP
Related Gallery:


■関連記事
写真で見るF1日本GP 2018:「リカルドのボールはどこへ」決勝日のパドック風景編

写真で見るF1日本GP 2018:今年も集った個性的なファンの方々をご紹介