【ビデオ】ジャガーが電気自動車「I-PACE」に搭載した、歩行者に注意を促すための走行音を公開
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ジャガーは同社初となる電気自動車を発売するにあたり、どのメーカーも直面する問題に向き合うことになった。騒音問題、正しくは「騒音を出さない問題」だ。歩道を歩いていると、低速で接近してくる自動車のエンジン音が聞こえて来るものだが、静音性の高い電気自動車ではその音が聞こえないのである。というわけで、エンジン音に替わってクルマの接近を知らせる音が適切に発生する仕組みを、メーカーは車両に搭載しなければならない。

ジャガーは「I-PACE」の開発におけるこの問題への取り組みをビデオで紹介している。採用が見送られた走行音の方も非常に面白いもので、当初は宇宙船やUFOをイメージしたというが、同社によると、あまりにそのイメージが強い音になったので、聞いた人は目の前の道路よりも空を見上げてしまったらしい。そこで開発担当者は、ごく一般的なブーンという音に変更して市販車に採用したという。実際の音はビデオでお聞きいただける(映像左上のスピーカーボタンを押すとミュートは解除できる)。まず開始40秒ほどでその音が聞こえ、その後も何度か繰り返される。

この走行音はグリルの裏側に取り付けられたスピーカーから速度が20km/h以下の時に発せられる。加速・減速によって音程が変わり、バックする時にも音が変化して走行方向が変わったことを知らせるようになっている。ジャガーでは、20km/h以上の速度になるとタイヤから発生する騒音や風切り音が聞こえるので、この走行音は不要だとしている。シボレーの電気自動車「Volt(ヴォルト)」では20mph(約32km/h)ほどで走行音が消える設定だが、これはメーカー間でこの問題にどう対処すべきなのか合意がないことを示している。米国ではメーカーに対して30km/hまで走行音の発生を義務付ける法律が設定されたが、同法はまだ発効していない。

このような走行音を発生させるシステムは、目の不自由な人には必要不可欠なものだが、歩行者の中でも大きな割合を占める注意散漫な人々に対して警告を発する効果もある。スマートフォンの画面を見ながら街を歩くという行為が日常茶飯事となった昨今、無音で走るクルマが作られたら多くの人が危険にさらされるからだ。ジャガーによると、この特別な走行音はクルマの車内には響かないように開発されているとので、乗員が煩く感じることはないという。

もっとも、我々はこのビデオの最後にも聞こえるあの唸り声を警告音にして欲しいと思ってしまった。ジャガーの登場には相応しい音ではないだろうか。


By ZAC PALMER
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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