米国証券取引委員会(SEC)が、テスラ創業者イーロン・マスク氏を詐欺の疑いで提訴しました。マスク氏は8月に突然、テスラ株を非公開化する意向をTwitterで表明した(その後撤回)した際、「(非公開化に必要な)資金は確保した」とツイートしており、SECはこれを「虚偽で紛らわしい表現であり詐欺に該当」し、米証券法違反にあたるとして、マスク氏の公開企業役員からの辞任を求めています。

訴状によると、イーロン・マスクは8月7日にTwitterで「株価に20%を上乗せしたのが非上場化のための一般的な株価だ」ツイートして、その日の株価終値に20%を上乗せした「420ドルが適当だ」と主張、その後株価は急騰しました。実際にはこの計算だと419ドルになるのですが、マスク氏はガールフレンドが冗談でマリファナを意味するスラングの"420"にすることを提案したため、価格を1ドル増したことを後に明らかにしています。

一方、SECはこのツイートの時点では、マスク氏は株価や資金については確保どころか「何も決まっておらず、議論もされていない段階だった」としました。

マスク氏提訴を受け、直後の9月27日午後の取引でテスラ株は7%ほど下落しました。さらにテスラ非公開化に関するツイートを巡っては、SECだけでなく司法省も投資家を欺いた疑いで調査を進めているとされます。

SECのスティーブン・ペイキン(Steven Peikin)氏は「企業の執行役員は、市場における信頼の地位を保持し、株主にとって重要な責任を負っている」と話し「いくら企業の役員が有名人であったりテクノロジー革命の推進者であったとしても、その個人的な評判が、社会的責任を軽減するための免罪符にはなりえない」と、至極真っ当な説明を付け加えました。

マスク氏は現在、8月にタイで発生した少年サッカーチーム洞窟遭難事故における英国人ダイバーへの中傷発言で訴訟を起こされており、司法省の動きを含めるとマスク氏は今後3件の訴訟に同時に直面する可能性があります。

そのほかにも、マスク氏は9月はじめにポッドキャスト番組のインタビューに応じた際、収録中にもかかわらずホスト役に勧められるがまま飲酒、さらには差し出されたマリファナを吸引までした映像が問題になっていました。番組が収録されたニューヨークではマリファナは合法ではあるものの、企業経営者としての軽率な行動や発言には批判の声があがっています。


By Munenori Taniguchi

※こちらの記事は『Engadget 日本版』より許可を得て掲載したものです。