800馬力のドラッグレース用マシンに先導され、45歳の女性が自転車による世界最速記録を達成!
ドラッグレース用マシンを風よけとして利用しながら、人間が脚で漕ぐ自転車の世界最高速度記録を樹立するという偉業を成し遂げたのは、45歳の女性だった。

この見事な走行の様子はビデオでご覧いただける。9月16日にユタ州ボンネビル・ソルトフラッツで行われた「プロジェクト・スピード(Project Speed)」のイベント開催中に、最高出力800hpを発生するトップ・アルコールのドラッグレース用マシンの背後に付き、デニース・ミューラーコレネクさんがペダルを漕ぐ自転車が、183.93mph(約296km/h)という驚くべきスピードに達する映像だ。ミューラーコレネクさんは、1995年にオランダ人のサイクリスト、フレート・ロンペルベルフさんが記録した166.944mph(約268.7km/h)を大幅に凌ぎ、見事に世界最高速度記録を更新した。ロンペルベルフさんの記録は既に旅客機ボーイング757の離陸スピードより速い。

情報テクノロジーを扱う米国のメディア『Wired』によると、ミューラーコレネクさんの自転車は、重量30ポンド(約13.6kg)、全長7フィート(約213cm)で、米国の自転車メーカーKHSが製作したカーボンファイバー製フレームに、17インチのオートバイ用ホイールを装着。自転車用のタイヤではこの速度に耐えられないためだ。さらに塩湖の跡にできた未舗装の平地を走るため、ダウンヒル・レーサー用のステアリング・スタビライザーと特別にチューンしたサスペンション・フォークが装備されている。巨大なフロント・ギアと小さなリア・ギアを組み合わせたドライブトレインは、それをさらに二段掛けすることで、ギア比は一般的なレース用自転車のトップギアの5倍にもなるという。ドラッグレース用マシンの後方にロープで繋がれた自転車が収まるスペースは幅わずか46インチ(約117cm)しかないので、誤操作は許されない。ビデオでは1:29辺りで左手のハンドブレーキを握ることでロープを放しているのが分かる。この時点で既に100mph(約161.9km/h)の速度で走行しているという。

「183.93mph(約296km/h)の走行は常軌を逸したワイルドなものですが、自転車による世界で最も速く走った人間になることができ、いろいろな犠牲を払って何年間も集中的に練習した価値はあったと思います。175mph(約273.6km/h)以上の速度が出るとは思っていませんでした」、とミューラーコレネクさんは英国BBCに語っている

また、ミューラーコレネクさんには魅力的な経歴がある。『Wired』によると、自転車の全米レースで13回優勝し、世界選手権では2回表彰台に上った後、彼女は自転車競技からしばらく離れていたという。プロジェクト・スピードのウェブサイトによると、その後20年以上にわたり、家業と3人の息子の子育てに専念しながら、「ミニ・クーパー」、オフロードバイク、ゴーカートでレースに参戦していたが、5年前に自転車競技に復帰。年齢別のカテゴリーで2度の優勝を飾っている。さらに、2017年には万里の長城マラソンに参加しており、同年に射撃競技中に誤って自らの脚を撃つというアクシデントにも見舞われた。

彼女は2016年、クルマに先導されて挑む自転車の世界最速記録に女性として初めて挑戦。147.4mph(約237.2km/h)という記録を達成している。



By SVEN GUSTAFSON
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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