【試乗ビデオ】素晴らしい体験! メルセデス・ベンツのクラシックな「ゲレンデヴァーゲン」に乗る
これは小学4年生の子供たちに向かって、ディズニーランドに行くぞと言うようなものだろう。新型メルセデス・ベンツ「Gクラス」に試乗するために南フランスに到着した際、集められた時差ボケ中の自動車ジャーナリストたち一行は、これから最新のGクラス(これ自体も確かに素晴らしくクールでエキサイティングなクルマだったが)だけでなく、数台のクラシックな"ゲレンデヴァーゲン"にも乗る機会があると知らされ、周囲から驚きのため息が聞こえた。我々はキョロキョロとお互いに目を合わせ始め、熱心なジャーナリストの表情がたちまち子供のような笑顔に変わり、この先に待ち受ける体験が「ワクワク」から「オーマイゴッド! オーマイゴッド! オーマイゴッド!」へと変化したのだ。

それは、試乗中に撮影した、浮かれた間抜けなこの自撮り写真からも分かるだろう。

「羨ましがって当然だ。今日、この1989年型メルセデス・ベンツ 300 GD カブリオレに乗る機会を得た。このワルなクルマについて運転上の禁止事項はなかった。驚くほど運転しやすく、思っていたほど原始的なクルマではなかった。短いマニュアルのシフトレバーは4速で、タコメーターの装備はなかったが、ギアボックスの感触は驚くほどダイレクトだ。ステアリングの反応は思った通りあいまいだったし、88hpのディーゼルは思った通り遅かった。何て素晴らしい体験なんだ」

用意されていたクラシックなゲレンデヴァーゲンは数台で、メルセデスが業務用として使っていた車両や、イタリアで消防隊が使用していた車両も含め、全て1980年代の物だった。ガソリン・エンジン搭載の4ドア ・ワゴンや、ホワイトに塗装されたオートマチック・トランスミッションのサファリ仕様もあったが、最も強く「これを運転しなければ」と思わされたクルマは、実にクールなアイスブルーにペイントされた1989年型300 GD、2ドアのカブリオレだった。最新型のGクラスと並べる究極の組み合わせを選ぶなら、これしかないだろう。

ということで、筆者は実に素敵なチェック柄の運転席に飛び乗ると、GoProカメラの録画ボタンを押して走り出した。



ビデオを見れば分かるように、最も印象的だったのは運転のしやすさだ。このクルマより数年前に製造されてイタリアの消防隊で活躍したゲレンデヴァーゲンと乗り比べると、1980年代に機械的な改良、特にマニュアル・トランスミッションが改善されたことは明白だった。消防隊の Gヴァーゲンのシフトレバーは長さがあって手が届きやすかったが、そのぶんストロークも長くなり、ギアに入れづらいという難点があった。現行型のポルシェ「911」よりゲートはずっと分かりやすいが、それでもやはりシフトしづらい。もっと古い年式のゲレンデヴァーゲンは、ステアリング・ホイールがかなり大きかった。低速走行時の操作は楽だろうが、高速での運転は喜劇のような経験になると思われる。


一方、重い4ドア・ワゴンのボディに2.3リッターのガソリン・エンジンとオートマチック・トランスミッションの組み合わせは、遅いと表現するだけでは生ぬるい。聖なるザワークラウトよ、あのクルマは遅かった。スロットル・レスポンスもまったくもってひどい。神に誓ってアクセル・ペダルを床まで目一杯踏み込んでいたにもかかわらず。従って、古いゲレンデヴァーゲンを購入するのであれば、マニュアル車を強くお勧めする。

もちろん、今回の経験は思った以上に素晴らしかった。そして試乗したクラシックなゲレンデヴァーゲンの中で、ブルーのカブリオレが筆者の予想どおり最もチャーミングだった。悔やむべくは、この素晴らしいクルマのキーを持ち逃げして、アンドラ公国あたりまで走り、3カ月ほど存分に楽しんだ後で返却しなかったことだ。いや、それより先に怒号が起きたに違いない。




By JAMES RISWICK
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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