ポルシェの「スパイダー」を名乗る希少な4台がペブルビーチのオークションに登場! ベルトーネが手掛けた世界に1台の「911」も
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前回に引き続き、8月24日・25日にグッディング&カンパニー社主催のペブルビーチ・オークションに出品される4台の希少なポルシェの"スパイダー"から、後半は世界に1台のロードカーと2000年代に大活躍したレースカーをご紹介。

1966年製ポルシェ「911スパイダー」は本当に特別なクルマである。アルファ ロメオやランボルギーニ、フィアットなど数々の名スポーツカーを手掛けたことで知られるベルトーネによって、この1台のみが製造された。

カブリオレや「スピードスター」など各種オープントップ・バージョンが用意されていた「356」が1965年に生産終了した後、米国南カリフォルニアでポルシェ・ディーラーを経営するジョン・フォン・ノイマンは、その後継車である「911」のオープントップ仕様を顧客が求めていると感じ、独自に911をベースにしたオープントップ・モデルの製作を企てる。これを請け負ったのが、ヌッチォ・ベルトーネ率いるイタリアのデザイン・ハウスだった。ドイツ・ツッフェンハウゼンの工場で生産された911のベア・シャシーは、イタリアにあるベルトーネの工房に送られ、そこで写真のようなイタリアン・デザインのコンバーチブル・ボディが架装されたというわけだ。ベルトーネは911の独特なサイズ、ディメンション、パッケージに合わせてデザインし、技術的にも品質的にもポルシェの名前に相応しいボディを製作することに、大変苦労したと言われている。

カーマイン・レッドのボディにクリーム色のインテリアとソフトトップ、そしてカンパニョーロ製ホイールを備えた911スパイダーは、1966年3月のジュネーブ・モーターショーで初公開された。来場者からは温かい反応といくつかの質問を受けたものの、結局911スパイダーは量産化に至らず、代わりにポルシェが開発した脱着式ルーフを採用する「911タルガ」が市販されたことは皆さんもご存じの通り。フルオープンとなる「911カブリオレ」の登場には1983年まで待たなければならなくなる。

ショーが終了した後、米国に送られた911スパイダーは数年間、フォン・ノイマンが所有していたが、後にコレクターの元へ売却された。1980年代に現在のようなブラックのボディとベージュのインテリアに替えられたという。製造当時は、標準モデルの911と同じ最高出力130psを発生する2.0リッター水平対向6気筒エンジンが搭載されたと思われるが、それから今までのどこかの時点で「911S」仕様のエンジンにアップグレードされ、「914/6」の"ガスバーナー"と呼ばれるアロイ・ホイールが装着されたそうだ。近年は長い間、空調の整った倉庫に保管されていたが、今回のオークションに出品されるにあたり機械的な整備が施されたという。予想落札価格は70万~100万ドル(約7,800万~1億1,100万円)とされている。


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オークション初出品となるのが、2007年製ポルシェ「RSスパイダー」だ。1998年にル・マンを制してから一度耐久レースの表舞台から姿を消したポルシェは、2005年にオープン・コクピットのプロトタイプ・レーサーを発表。しかしそれはル・マンのトップ・カテゴリであるLMP1ではなく、プライベーターが鎬を削るLMP2規定のマシンだった。

ポルシェ・モータースポーツがレース専用車両として開発したRSスパイダーは、カーボンファイバー製モノコックにエンジンとトランスアクスルを車体の一部として組み合わせ、風洞実験によってデザインされたカーボン/ケブラー複合素材製のボディを載せている。新開発された3.4リッター4カムV8エンジンは1万回転まで回り、480馬力を超える最高出力を発生する。このV8エンジンは後にポルシェ「918スパイダー」のパワートレインのベースとなった。

主戦場を米国においたRSスパイダーは、ALMS(アメリカン・ル・マン・シリーズ)のLMP2クラスで活躍。2005年の最終戦にペンスキー・レーシングから、翌年の本格参戦に向けたテストとして出場したデビュー・レースでは、いきなりクラス1位・2位、総合でも4位・5位を獲得する。2006年には10戦中クラス優勝7回、総合優勝も成し遂げ、2007年になると8戦連続総合優勝を含む戦績でLMP1クラスのアウディを抑えて年間総合チャンピオンに輝く。2008年は欧州にも活動の場を拡げ、LMS(ル・マン・シリーズ)に参戦。ル・マン24時間レースではLMP2クラスで1・2位フィニッシュを遂げている。

今回出品されるシャシー・ナンバー「9R6.706」は2007年の2〜3月に製造され、4月に米国フロリダ州に本拠を置くCET ソラローリ・モータースポーツに販売された。しかし、結局レースに出場することなく、現在のオーナーであるコレクターに売却されることになる。これまで何度かサーキットを走った(プライベート・テストのほか、ラグナセカで行われたヒストリックカー・レースに2回出場)が、プロフェッショナルなレース・メカニックの手で整備されている状態にあるという。グッディング&カンパニー社は予想落札価格を明らかにしていない。


By Autoblog Japan Staff

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