ジャガー・ランドローバーが「ロードローバー」という名称の商標登録を出願 新モデルラインへの布石か?
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今から約1年ほど前、ジャガー・ランドローバー(JLR)が「ロードローバー(Road Rover)」という新ブランドの立ち上げを検討しているとの報道があった。この耳慣れないブランド名は、ジャガーランドローバーの中間的位置となる、特別な豪華さと"ある程度"のオフロード走行性能を備えたクルマに適用されるとのことだった。当時、これについて質問されたJLRは「単なる社内のコードネームである」と説明していた。しかし、同社が最近、このRoad Roverという名称の商標登録を出願していたことが明らかになったというから、これにはもっと重大な意味があるようだ。

以前は、その新ブランドのクルマはメルセデス・ベンツ「Sクラス」に真っ向勝負する高級セダンとして米国や中国に投入されると考えられていた。しかし最近ではその認識に変化があり、アウディ「オールロード」やボルボ「V90 クロスカントリー」のようにワゴンとクロスオーバーの特徴を併せ持ち、Sクラス並みの豪華さと、そして最も重要なポイントである完全電動のドライブトレインを備えたクルマになるとの見方が優勢だ。予想では、アルミニウム製ボディの次世代型ジャガー「XJR」とプラットフォームを共有し、電動パワートレインはツインモーター式で航続距離はおよそ300マイル(約483km)に達するというから、ロードローバーの真のライバルはアウディ「e-tron Sportback」かもしれない。

JLRは2025年までに年間販売台数100万台を達成することを目標にしている。昨年の販売台数が60万4,000台であることから考えると、果てしなく遠く感じる数字だ。現在の市場はクロスオーバーとSUVを中心に回っているから、JLRはその分野の販売を至急伸ばす必要がある。米国の自動車メディア『Autoweek』は昨年、ランドローバーが「レンジローバー」の取り分を未知数の新ブランドのために放棄するだろうかとの疑問を呈していた。特に高価格帯のモデルは利益率も高いからだ。しかし、英国の『Autocar』の見方によれば、ランドローバーはいわゆる"ソフトローダー"と呼ばれる種類のモデルを投入することで「本格的なオールテレイン車」として築き上げたブランドのイメージを落としたくないと考えているはずだという。また、完全電動パワートレインではその高いオフロード性能を発揮させることは難しく、さらにランドローバーの背が高くて箱形のデザインは電気自動車として重要な航続距離を伸ばすことも難しい。だが、JLRとしては、カリフォルニア州など10州における今後のZEV(無公害車)規制に対応するため、ジャガー「I-Pace」以外の電気自動車も必要としていることは間違いない。

なお、ロードローバーという名称は「ヴェラール」と同様、JLRの歴史上で一度使われたことがある。1950年代にJLRの前身(の一部)であるローバー・カンパニーが、当時の「P4」をベースにした4輪駆動車のプロトタイプを製作。「ロードローバー・プロジェクト」と呼ばれるこの1台が、後にレンジローバーに発展したのだ。


By Jonathon Ramsey
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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