世界で最も低価格な新車、タタ「ナノ」が存亡の危機に
我々Autoblogのアーカイブには、「ナノ」の波乱の歴史をうかがわせる記事が沢山ある。このマイクロカーはインドのコングロマリット、タタから1,985ドル(現在のレートで約22万円)という素晴らしい価格で2009年に発表され、世界で最も安い価格で買える新車として注目を浴びた(その後、価格は2,200ドル、その次に2,500ドルへと値上がりした)。

『Bloomberg』のコラムニスト、アンジャ二・トリベディは先日、この野心的で小さな"ピープルズ・カー"の終焉が近いかもしれないという記事を書いている。昨年の6月には275台が製造され、そのうち25台が輸出されたナノだが、今年6月の生産台数は、なんと、わずか1台で、輸出はゼロだったという。製造元のタタ・モーターズは、このクルマが「このままでは2019年以降は存続できない」と認めている。

一方で、インドの自動車市場全体としては景気が良いと『Bloomberg』は伝えており、この市場では電気自動車(EV)や自動運転車はあまり見られないが、今年6月に前年同月比38%も急増したSUVを含め、全てのセグメントが成長しているという。タタの広報担当は同メディアに対し、ナノは生き残るために新しい投資が必要だろうと語っている。

とは言え、小さな12インチ・ホイールを装備するこの4人乗りの背が高い小型車は、これまで人気に火がついたことは一度もない実際に火がついたことは何度かあるが)。報道によれば、年間7万5,000台以上売れたことはないという。インドの消費者には、最高出力37hpの2気筒エンジンで駆動する必要最低限の機能を備えたクルマが提供されたわけだが、車両重量600kgあまりとしても、これで大人4名を運ぶところを想像してみてほしい。2010年に米国版Autoblogに掲載されたインド市場向け「ナノ CX」の試乗記には、「60mphまでの加速には長い時間がかかるので、サンドイッチとコーヒーを用意しておくといいだろう」と書かれている。

タタはナノを米国市場に1万ドル以下という価格で投入する計画を立てていたが、この調子ではいつまで経っても実現しそうもない。


By SVEN GUSTAFSON
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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