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米国のTVドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』に登場したフェラーリ「デイトナ スパイダー」がレプリカだったように、銀幕を飾る最も有名なフェラーリの1台も、実際はフェラーリではない。映画『フェリスはある朝突然に』に出てくる「250GT カリフォルニア・スパイダー」風のクルマは、もともと特別に製作されたレプリカだった。しかし、今や歴史的名車協会(HVA)の働きかけによりその価値が認められ、米国ペンシルバニア州のAACA博物館に特別展示されている。

輝く赤いグラスファイバー製ボディの下には特製のチューブフレームがあり、1974年製フォード「302 c.i.d.」エンジンと「C-4」オートマチック・トランスミッションが搭載されている。このレプリカを手掛けたビルダーのモデナ・デザイン&デベロップメント(以下、モデナ社)は、本物のフェラーリに近い外観を作るべく、フィアット「124スパイダー」のフロントガラス、フォルクスワーゲン「タイプ3」のテールライト、「カルマン・ギア」のリア・バンパー、MG「MGB」のトランクリッドなど様々なクルマのパーツを使い、スクリーン上ではフェラーリとして十分通用する1台を完成させた。サスペンションはフォード「マスタング」から流用し、スピードメーターはジャガー「Eタイプ」のものだ。

1985年、既にモデナ社はこのコンセプトを実現したモデルを完成させており、それが映画監督のジョン・ヒューズの目に留まった。しかし残念ながら、そのクルマは顧客から注文を受けたものだったので映画に使用することはできなかった。その代りモデナ社とヒューズ監督は、映画製作会社にリースするための別のレプリカと、撮影用の部分的に完成された車両とローリングシェルを製作することで合意した。モデナ社は撮影に間に合わせるため、深夜に及ぶタイトなスケジュールをこなし、見事に3台の車両を完成させた。その成果は映画でご覧になった通りだ。劇中でクルマが迎える悲しい運命は、本物のカリフォルニアよりもレプリカのローリングシェルを使う方が相応しいことは間違いない。


実走可能なレプリカは、劇中の有名なジャンプのシーンの撮影などにより多大なダメージを負ったが、撮影が済んでモデナ社に戻った後、修理されて売却された。それから数人のオーナーの手に渡ったようだが、現在のオーナーは2010年に英国で行われたボナムスのオークションで同社を落札し、米国へ戻すと共に映画に登場した時と同じ仕様にレストアしたという。今年4月初め、同車はHVAによってワシントンDCに展示された。そして、現在はペンシルバニア州ハーシーにあるAACA博物館で、10月末まで展示されている。


By ANTTI KAUTONEN
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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