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SLK」という名前でデビューした時から数えれば、既に7年もの年月が経過している靴のようなカタチをしたコンバーティブル、メルセデス・ベンツ「SLC」が同社内で議論の対象となっている。今年5月、メルセデスAMGの大胆不敵なリーダー、トビアス・ムアースCEOが米国の情報サイト『Digital Trends』のインタビューに応じた際、このコンバーチブルの未来についての質問に、ムアースCEOは「分かりません。現在検討中、構想中といったところでしょうか」と答えていた。そして英国の自動車メディア『Autocar』に掲載された今月10日付けの記事では「ドイツのディーラーによると在庫は既になくなっており、補充はしないと決定されたようだ」と報じられている。同記事によれば、メルセデス・ベンツの役員会ではポルシェ「718」シリーズに対抗するSLCの後継モデルとなるクルマが現在検討されているという。

この役員会で検討中のモデルは、ポルシェ 718と同様、ハードトップ・クーペとコンバーチブルの2本立てになる可能性があるようだ。メルセデスはこれをライバルのポルシェと同じミドシップにするのか、それとも従来と変わらずフロント・エンジンにするのかを、これから決定しなくてはならない。慎重な立場を取るのであれば、従来通りフロントにエンジンを搭載することになるだろう。一方、ミドシップ・レイアウトはこのモデルのためだけに多額の費用を設計に投じなければならないという短所があるものの、メルセデスAMG「プロジェクト・ワン」ハイパーカーから着想を得たスタイルのスポーツカーに仕立てることができる。『Autocar』が入手した情報によると、ミドシップのクルマは「もはやタブーではない」そうで、「比較的手が届きやすい価格でありながら、よりサーキット走行に適したスポーツカー」にするという案が出ているそうだ。さらに、これをベースにFIA GT4規定のレース仕様車を作り出すことも考えられているという。

現在、メルセデスが販売しているGT4カテゴリ用のマシンは「メルセデスAMG GT」がベースで価格は19万8,850ユーロ(約2,600万円)。アマチュア・レーサーや趣味でサーキット走行を楽しみたいだけのドライバーにとっては高額すぎる。一方、ポルシェが2015年に発売した「ケイマン GT4 クラブスポーツ」なら11万1,000ユーロ(現在のレートで約1,460万円)からという価格で買えた。

エンジンは新型「Aクラス」に今後追加されるAMG仕様から、2.0リッター直列4気筒ターボが流用できる。「メルセデスAMG A 45」の新型(または後継)では、その最高出力は400馬力を超えると予想されている。ちなみにポルシェの「718 ケイマン」と「718 ボクスター」の「GTS」モデルは最高出力365psである。


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ポルシェの781シリーズの欧州における2017年の販売台数は、ケイマンとボクスターを合わせるとメルセデスのSLCを3,000台ほど上回る。さらに今年にかけてSLCの販売は減少しており、718は増えている。もし、AMGが公道でもサーキットでもライバルとなるクルマを登場させたら、ポルシェはそのエントリー・レベルのスポーツカーに、いかにして価格を抑えつつブランドに相応しいパフォーマンスと存在感を与え続けることができるだろうか。


By JONATHON RAMSEY
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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