三菱自動車、オイル交換の値引きと引き換えに運転データを収集するアプリを米国で導入
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企業や都市は、我々からドライビング・データを収集するのが大好きだ。だが、それにはどうやって我々にその提供を納得させるのかという問題がある。三菱自動車の場合はいたってシンプルに、贈り物を浴びせればよいと考えたらしい。同社は米国で通勤する人々に、自身の運転に関する癖や習慣などの情報を保険会社と共有するように求め、その見返りとして報酬を与えるモバイルアプリを立ち上げた。運転マナーを心がければ(例えば制限速度を守り、急ブレーキを避けるようにするなど)、オイル交換やクルマのアクセサリーなどが値引きされるというわけだ。また、2018年末までは、無料のコーヒーやギフトカードも受け取れる。

これまでは保険会社や地方自治体が似たような試みを行ってきたが、自動車メーカーがこのような形で直接行うのは初めてのことだ。三菱自動車の米国法人、三菱モータース・ノースアメリカのブライアン・アーネット氏は、これがクルマのセールスが悪化した時の代わりの収入源となり、『事業の安定化』を図る1つの方法になると『ウォールストリート・ジャーナル』に説明している。

問題は、皆さんのご想像通り、保険会社が皆さんのデータを手に入れるということだ。三菱のプロジェクトによって保険会社は、ドライバーの運転傾向を把握しリスクに対応することが可能になる。安全運転をしていれば保険料は下がる、という可能性もある。しかし我々は、路上で下す些細な判断についてはほとんど全て無意識に行っている。もし、大きなトラックの死角から出るため制限速度を上回るスピードを出した時、これがただの無謀運転ではないと三菱に分かってもらえるだろうか? いや、恐らくそれは難しいだろう。

あるいは、保険会社が保険の加入者に対し、こうしたデータ収集を強制的に行う懸念もある。そうなれば選択の余地はほとんどなく、運転したいならプライバシーを犠牲にするしかない。ついでに言えば、この動きは、自動車メーカーからも1つの実験的な前例として注目を浴びることになる。自動車メーカーの多くは、マイカーを所有するという概念が永遠に続かない可能性に気づいている。今後は業績悪化を埋め合わせるためにデータ収集するという戦略が増えていくかもしれない。

注:この記事は米国版『Engadget』のJon Fingas記者による記事を転載したもの。


By ENGADGET
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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