アストンマーティン「ヴァルキリー」がニュルブルクリンクでポルシェの記録を破る可能性があると、レッドブルF1チームのホーナー代表が発言
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先週末に行われたF1オーストリアGPで、独立系モータースポーツ・ニュース・サイトの『RaceFans』がレッドブルF1チームのクリスチャン・ホーナー代表にアストンマーティン「ヴァルキリー」について話を聞いた。質問は、レッドブルとタイトル・スポンサーのアストンマーティンが共同開発したこの次世代ハイパーカーが、つい先日ポルシェ「919ハイブリッドEvo」が記録したニュルブルクリンクの驚異的なラップタイムを上回ることができるかどうかであった。ホーナー代表は「F1マシンで記録更新ができるかどうかは分かりませんが、ヴァルキリー、それもサーキット仕様のヴァルキリーならその候補になれるかもしれません」と回答している。これは条件付きの肯定的見解だが、単に「ヴァルキリー AMR Pro」のことを会話に挟みたかったとも取れる発言だ。

では、両車を比較してみよう。ポルシェの919ハイブリッドEvoは、2017年FIA世界耐久選手権(WEC)で総合優勝した「919ハイブリッド」をベースにしたものだ。レースの規定から解放されたことで、ポルシェ・モータースポーツは様々なアップグレードを施すことが可能になった。2.0リッターV型4気筒ターボ・エンジンは500psから720psに、2つのエネルギー回生システムは400hpから440hpにパワーアップしている。ダウンフォースの具体的な数値は明らかにされていないが、アクティブ・エアロ、大型化したフロント・ディフューザー、最適化されたターニングベイン、巨大なリア・ウイングの採用により、WECレギュレーションに準拠したマシンよりも全体でダウンフォースが53%も増大しており、空力効率も66%向上しているという。さらにタイムアタックでは不要となる装備を全て取り外したことで、乾燥重量は39kg減って849kgとなった。

一方のヴァルキリー AMR Proだが、こちらは車両重量が1,000kgとされている。自然吸気6.5リッターV12エンジンはAMR/コスワース製で、最高出力は900ps以上、エネルギー回生システムを加えると1,100psを超えると言われている。英国の自動車メディア『Autocar』によると、ヴァルキリー AMR Proは空気抵抗によって制限される最高速度225mph(約362km/h)で走行中に、最大4,000ポンド(約1,816kg)のダウンフォースを発生させるという。この驚異的数字は、フロントホイールアーチ間の開口部やフロントウィングの効果を上げるために設計変更されたコクピットなど、ロードカーのヴァルキリーに様々な改良を加えたF1デザイナーのエイドリアン・ニューウェイ氏の手腕によるものだ。

ただし、ヴァルキリーAMR Proのスペックはまだ完成形ではなく、オーナーに納車が始まる日に向けて、アストンマーティンとニューウェイ氏は引き続きこのハイパーカーに手を加えているので、実際にサーキットに現れる時はさらに軽く、パワフルで、ダウンフォースが増している可能性もある。

また、「メルセデスAMG プロジェクト・ワン」がニュルブルクリンクの戦いに割って入るかどうかも気になるところだ。このF1マシン由来のハイパーカーが"リンク"で圧倒的なラップタイムを記録するだろうと「考えることは妥当だ」と、AMGのトビアス・ムアーズ代表が発言したのはごく最近のこと。だが、その時はまだポルシェの記録が明らかになる前だ。もし、アストンマーティンやAMGがニュルブルクリンクで公式にポルシェのタイムに挑戦することがなかったとしても、2021年にはFIAによる"ハイパーカー"クラスのレースで、その性能が判断できるだろう。


By Jonathon Ramsey
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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