ヒュンダイ、FCA買収を見据えてマルキオンネ氏の引退前にFCA株を取得へ
現代(ヒュンダイ)自動車グループのCEOは、来春に予定しているフィアット・クライスラー・オートモービルズFCA)のセルジオ・マルキオンネCEOの引退に先駆けて、FCAの株式公開買い付けに着手する予定だと、内情に近い匿名の情報筋の言葉として『アジア・タイムズ』が伝えている。鄭夢九(チョン・モング)CEOは、それを実行するためにFCAの株価下落を待つ考えだ。

ヒュンダイは、当然ながらその噂にコメントしていない。しかし、クライスラーの販売網や収益性の高いジープ・ブランド、そしてラムまで手に入れることは、同社にとって大きなメリットになるだろう。米国ミシガン州オーバーンヒルズにあるFCA本社の広報担当は米国版Autoblogの問い合わせに対し、ノーコメントと返答した。

しかし、企業買収の可能性に関するあらゆる話と同じように、本件も内部の関係者によって複雑になっている。そこにトランプ米国大統領の国際貿易問題に対する姿勢も絡んでくる。

FCAはこれまでにもヒュンダイを含めて買収話で話題になってきたが、マルキオンネ氏は合併の可能性を否定し、代わりにFCAがヒュンダイと技術提携について交渉していると語った。2015年には、マルキオンネ氏は合併に関してゼネラルモーターズに積極的に働きかけたが実現せず、フォルクスワーゲンからも冷や水を浴びせられた。マルキオンネ氏はこれまで、過剰生産を縮小し、自動運転や電気自動車の開発に巨額の投資を可能とするために、自動車メーカーは合併の必要があると繰り返し強く主張してきた。

ヒュンダイの株主について報じられるところでは、キーパーソンがいる。その1人が米国の大手ヘッジファンド、エリオット・マネジメントの創業者で、アクティビスト・シェアホルダー(物言う株主)のポール・シンガー氏だ。同氏は10億ドルのヒュンダイ株と、フィアットの母国イタリアにおける普通株の大口所有者でもある。そしてもう1人がFCA会長のジョン・エルカン氏で、彼はフィアット・クライスラーCEOの後継者に関してマルキオンネ氏と意見が異なると伝えられている。しかし、彼自身は同社を経営することへの関心が薄く、合併を望んでいるという。

事態を複雑にしているのは、FCAの既に国際色豊かな遺伝子に、さらに別の要素が融合するとトランプ政権が捉えると思われることだ。ただし、大統領や国会議員にとって韓国の自動車メーカーとの契約は、FCAの全てまたは一部の買収に意欲があると分かっている長城汽車のような中国の複合企業よりは好ましいと考えられている。

本件に関する『アジア・タイムズ』の記事はこちらからどうぞ。


By SVEN GUSTAFSON
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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