ジープの新型「グランドワゴニア」、遅すぎる発売と高すぎる価格をディーラーが懸念
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2011年1月10日、自動車メディア『Automotive News』は、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)セルジオ・マルキオンネCEOの"より高級な「グランドワゴニア」を市場に復活させる時が来た"という発言を掲載した。ベーブ・ルースが遠くのスタンドを指差したように、"2013年1月にお見せできるだろう"と、マルキオンネ氏も歴史的運命と言える発売時期を予告したのだ。もし本当に発売されていたらグランドワゴニアは大成功を収めていたことだろう。7年経った今も、様々な経済的な要因が不安定なこともあるためか、グランドワゴニアは未だ発売されていない。FCAのディーラーは、このラグジュアリーな3列シートのジープ車が、SUVブームが終わってから登場するのではないか、あるいは高額過ぎて売れないのではないかと、心配しているようだ。

では、グランドワゴニアに何があったのだろうか? 計画が変更され、アルファ ロメオへ多額の投資が必要になったという事情もあるだろう。グランドワゴニアをどのようなクルマにするのかという議論も続けられた。モノコック構造を採用する「レンジローバー」のライバルを目指すのか、それともボディ・オン・フレーム構造のシボレー「サバーバン」に対抗するべきか。結論は? 少なくとも我々にはまだ見えない。さらにFCAの北米における生産力の問題が浮上した。「ラム 1500」の新型と旧型を平行して生産するラインが必要になったため、同時期にグランドワゴニアを生産するスペースが足りないことが分かったのだ。その結果、ワゴニアとグランドワゴニアの発売は2021年に延びた。

社外にも目を向けてみよう。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのあるアナリストは、自動車市場の縮小、競争の激化、高級車に対する高額な金利、中古車価格の下落、ガソリン価格の高騰などの経済勢力が、クロスオーバー人気の"ゴルディロックス経済"に終止符を打つだろうと見ている。そう考えるのは彼だけではない。市場調査会社のIHSのアナリストも、3年前に同じことを言っていた。2年前には同社の別のアナリストが売り上げの減少についてより深く調査していたし、他にも3人のアナリストが中古車の価格が下がることを分析していた。燃料価格の高騰は予測困難だが、他の要素が高価格車を売ろうとしている小売業者を苦しめていると言える。

グランドワゴニアが失敗するとは誰も思っていないが、ディーラーは同車が特別売れるとも思っていないようだ。あるディーラーは「当初の予定通りにグランドワゴニアが発売されていれば、かなり売れていたでしょう。しかし金利やガソリン代が高くなってしまった今は、売るのが難しいと思います」と最近『Automotive News』に語っている。一方で、もっと楽観的なディーラーもいる。「これから発売されてもグランドワゴニアは売れると思います。だってジープ車ですから。でも既に発売されていたらよかったですけどね」。

"よかった"とは控えめな表現だ。ある販売業者は、2018年にグランドワゴニアが登場するという2015年に書かれた記事を読んだ時、新しい大型のジープが出ると知ってとても興奮していた。おそらく、実際には2タイプのワゴニアが開発中だと思われる。標準モデルのワゴニアと、グランドワゴニアだ。さらに3列シートを備える「グランドチェロキー」が2021年頃に発表される見込みだ。


By JONATHON RAMSEY
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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