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トヨタは、2018年06月22日から、同社の最高級セダンの「センチュリー」を21年ぶりにフルモデルチェンジし、発売を開始した。

その価格は、なんと1,960万円(消費税込・北海道、沖縄は除く)。地域によっては新築一戸建てが充分買えてしまうくらいの価格だ。余談だが不動産売買のセンチュリー21で検索すると、神奈川県内に1992年に建てられたトヨタホーム施工3LDK一戸建てが1,980万円で販売されていたので、クルマというより、まさに住宅クラスの価格帯だ。

ちなみに、先代モデルの価格は1,253.8万円なので、706.6万円のアップとなっている。そこで21年分のバージョンアップがどのようなものかをご紹介しよう。


センチュリーは1967年、トヨタグループの創始者である豊田佐吉の生誕100年を記念して発売されたモデルだ。以来50年にわたり、日本を代表するショーファーカー(おかかえ運転手が運転するクルマ)」として、各界のエグゼクティブにご愛用されている。

21年ぶりのフルモデルチェンジとなる三代目センチュリーは「継承と進化」が開発テーマ。「匠の技」と「高品質のモノづくり」を継承しつつ、ハイブリッド化による高い環境性能と、新しい魅力を付与した内外装デザイン、ショーファーカーとしてふさわしい先進・快適装備を付与。乗り心地、静粛性、走行安定性を一段と向上させているとのことだ。



日本の美意識に通じる静的な均整感を保ちながら、後席を上座とする独自の思想を造形にしたというスタイリングからは、安定感があり重厚な印象を感じられる。

サイドビューは、あえて傾斜を立てた重厚なクォーターピラーにより後席の存在感を強調し、ショーファーカーにふさわしく、一目でセンチュリーと分かるデザインになっている。

また、サイドボディはドア断面の美しいカーブを追求するとともに、ショルダー部のキャラクターラインには「几帳面」と呼ばれる、平安時代の屏障具(へいしょうぐ)の柱にあしらわれた面処理の技法を採用。

端正に並んで走る2本の線を角として研ぎ出し、わずかな隙に淀みなく通した面を1本の線として際立たせることで、高い格調を感じさせる仕上がりとなっている。


センチュリーの象徴であるフロントセンターの「鳳凰」エンブレムは、工匠が金型を約1カ月半かけて丁寧に手で彫り込み、躍動する翼のうねりや繊細な羽毛の表情を鮮やかに描き出しているこだわりの逸品だ。


さらにエンブレムを彩る縦格子のフロントグリル奥には、同じ大きさの円を1/4ずつ重ねて描く日本の伝統的なデザインであり、また無限に繋がる円ということから、円満や財産、子孫繁栄などを表す伝統文様 である「七宝(しっぽう)文様」を配置し、前後二重構造にすることで、「品位ある華」が表現されている。


ボディに施されている新規開発色のエターナルブラック「神威(かむい)」の塗装は、漆黒感を高める黒染料入りのカラークリアなど7層もの工程に加え、研ぎと磨きを加えて奥深い艶と輝きを追求しているとのことだ。

また、日本の伝統工芸の漆塗りを参考に、流水の中で微細な凹凸を修正する「水研ぎ」を3回実施し、さらにその後、一点のくもりも残さないよう「鏡面仕上げ」が施されている。もし街中で見かけることがあったら、そのこだわりの輝きを確認して欲しい。


65mm延長されたホイールベースは、後席スペースの拡大に充てることで、乗員の膝まわりや足元に充分なゆとりが実現。

加えて、後席のスカッフプレートとフロアの段差を従来型より15mm縮小することにより、フロアマット(オプション)装着時にはフラットになり、さらに乗り降りしやすくなっている。


本杢(ほんもく)オーナメントで前後席の空間を区切りながら、居室の天井の中央部を上方へ一段高く凹ませる建築様式である「折り上げ天井様式」が採用されている。

天井には、「不断長久(絶えることなく長く続く)」という意味があり、家の繁栄や長寿を願う文様とされている 卍(まんじ)を組み合わせた柄の「紗綾形(さやがた)崩し柄」を織物としてあしらい、後席の格の高さを表現しているとのことだ。


後席シートには、無段階に調整可能な電動オットマンや座り心地を追求したリフレッシュ機能付(左後席のみ)電動リヤシートを採用。

また、11.6インチリヤシートエンターテインメントシステムを搭載するとともに、12chオーディオアンプと20個のスピーカーを最適配置し、臨場感あふれる空間が創出されている。

後席アームレストの7インチ大型タッチパネルからは、オーディオ、エアコン、シート、カーテンの操作や、背もたれ面に内蔵したエアブラダー(空気袋)を膨張させることで肩から腰までを押圧し、心地よい刺激が得られる左後席のリフレッシュ機能の操作もできる。


パワートレインは、V型8気筒5.0Lハイブリッドシステム(381PS)を新搭載し、ショーファーカーに求められるスムーズで余裕に満ちた走りと、高い環境性能を両立している。

ハイブリッド化されたため、これまでのように待ち時間に無駄なアイドリングをすることも減るだろう。なお、JC08モード走行燃費は13.6km/Lとなり、従来モデル(280PS)の7.6km/Lから大幅に改善している。

さらに、ショーファーカーとしては非常に重要な静音性能については、熟練の匠が時間と手間をかけ、防音材を隙間なく組み付けるなど、徹底的な防音対策を実施。加えて、エンジン起動時の音や振動には、逆位相の音を発することで、音を打ち消すシステムであるアクティブノイズコントロールで対応し、圧倒的な静かさを追求している。

足回りには、車高切り替え機能が付いたAVS(Adaptive Variable Suspension System)機能付電子制御エアサスペンションを採用したほか、構造用接着剤によるボディ剛性の向上、乗心地に特化した新開発のタイヤ、サスペンションアームやブッシュ、マウントなどのゴム部品にいたる細部までチューニングを施し、ソフトで目線の動きが少ないフラットな乗り心地を実現しているとのことだ。


インパネは、後席からフロントを見渡す際にすっきりと視界が確保されている水平基調のダッシュボードデザインが先代モデルから踏襲されている。

また、安全性能としては、「Toyota Safety Sense」を新搭載するとともに、隣車線の死角を走る車両を検知する「ブラインドスポットモニター」、周辺状況を検知して駐車支援する「パーキングサポートアラート」を採用。また、車両データを基に重症度を推定して、ドクターヘリ等の早期出動判断を行うD-Call Netにも対応しているとのことで、VIPがこれまで以上に安全に安心に移動できるに違いない。

1,960万円という価格はクルマとしては高価格帯だが、これまでご紹介した充実した機能やこだわりの装備、そして月販目標台数は50台ということを考えると、決して高い買い物ではないだろう。


■関連サイト
トヨタ 公式サイト
http://toyota.jp

センチュリー 匠の技