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BMWがスポーティとラグジュアリーを全面に押し出した「8シリーズ クーペ」を約20年ぶりに復活させた。今年のル・マン24時間レース決勝前夜にまず公開されたのは、V8ガソリン・エンジンを搭載する全輪駆動のMパフォーマンス・モデル「M850i xDrive」だ。


ついにカモフラージュを脱ぎ捨てた新型8シリーズ・クーペだが、見た目には昨年発表されたコンセプトカーとほとんど変わりがない。エクステリアは、ロング・ノーズやスリムなAピラー、低く後ろに流れるルーフラインなど、初代8シリーズ クーペの長く伸びやかなルックスを受け継いでいる。フロントは、大きく印象的なエアインテークの上部にトレードマークのキドニー・グリルが確認できる。初代8シリーズのヘッドライトのようにポップアップするわけではないが、新型8シリーズには他のBMW車よりもスリムな、同社のレーザーライト技術を採用したLEDヘッドライトが標準装備されている。ボディ側面からはロング・ホイールベースであることが確認でき、サイドウィンドウ後部にBMWの特徴的なホフマイスター・キンクがこのクルマにも見られる。リアには、こちらも全てにLEDが使用された一連のテールライトと、横長の2本出しエキゾースト・テールパイプが備わる。オプションでカーボンファイバー製のルーフも提供される。


インテリアは、スポーティなドライビング体験のためにデザインされており、メリノ・レザーを使用した新しいスポーツ・シートを装備する。アンビエント照明は「iDrive」メニューでカスタマイズが可能だ。16個のスピーカーを搭載するHarman/Kardonオーディオ・システムは標準装備だが、1,375ワットのBowers & Wilkins Diamondサウンド・システムもオプションで選択できる。


2018年に11月予定されている発売時に用意されるエンジンは2種類。"M Performance"の名前とチューンが与えられたM850i xDrive クーペが搭載する4.4リッターV型8気筒直噴ガソリン・ターボは、V型に配置されたシリンダー・バンクの内側に配置された2基のツインスクロール・ターボチャージャーや、パワーと効率性を最大限に引き出すために採用されたフル可変バルブ・コントロールと可変カムシャフト・タイミング機構によって、最高出力530ps/5,500-6,000rpm、最大トルク750Nm/1,800-4,600rpmを発揮。車両重量1,890kgと重い車体を0-100km/hまで3.7秒で加速させ、複合モード燃費は10km/Lを達成している。

「840d xDrive クーペ」に搭載された3.0リッター直列6気筒ディーゼル・エンジンは、ピエゾ・インジェクターを使ったコモンレール式直接燃料噴射システムとマルチステージ・ターボチャージャーを採用し、最高出力320hp/4,400rpmと最大トルク680Nm/1,750-2,250rpmを発生する。複合モード燃費は16.1〜16.9km/L。

どちらもギア比がワイド化された8速オートマチック「ステップトロニック」トランスミッションと、電子制御マルチプレート・クラッチを使った「xDrive」によって4輪にパワーを送る。この全輪駆動システムは基本的に後輪駆動寄りにトルクを配分するという。M850i xDrive クーペは標準で前8J×20インチ・ホイール+245/35R20タイヤ、後9J×20インチ・ホイール+275/30R20タイヤを装着。840d xDrive クーペは前8J×18インチ・ホイール+245/45R18タイヤ、後9J×18インチ・ホイール+275/40R18タイヤと、いずれも後輪にワイドなタイヤを履く。


運転モードは「Comfort」「Sport」「Sport+」「Eco Pro」などが用意されており、ドライバーの気分や必要に応じて選択できる。SportかSport+モードを選択すると、アクセル・レスポンスとパワー・デリバリーだけでなく、標準装備のフラップ・コントロール付きエキゾースト・システムの音も切り替わる。燃費に関しては、ナビゲーション・システムが示した経路を取ることで、エンジン・ブレーキ、カーブにおける不要なシフトダウンの回避など、トランスミッションの挙動を制御して燃料を節約できる。アクセルオフにすると一定の状況下でパワートレインが切り離されるコースティング機能や、自動スタート/ストップ・システムも搭載している。

サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン式、リアが5リンク式。BMWによれば、レース活動を通じて得た知識をセットアップに活用し、快適さを犠牲にすることなくコーナリング時のパフォーマンスの最大化を図ったという。このサスペンションは操舵機能と減衰機能が分けられているので、路面の不整による影響をあまり受けずに操舵することができる。操舵面では、速度に合わせてステアリングのギア比が可変し、さらに速度域によって後輪を同位相と逆位相に操舵するリア・アクスル・ステアを組み合わせた「インテグラル・アクティブ・ステアリング」を標準で装備する。


便利さと安全性を追求するためにテクノロジーを活用しているのも新型8シリーズの特徴だ。「BMWヘッドアップ・ディスプレイ」が装備されていることで、ドライバーは視点を路上に維持できる。オプションの「BMWナイト・ビジョン」は人や大型動物、発熱物を検知するとコントロール・ディスプレイに映し出し、自動的にヘッドライトの光量を上げて対象を照らす。「パーキング・アシスタント」は駐車スペースを確認してステアリング操作をサポート。同車の一部の機能は、Apple CarPlayやAndroid Auto、BMW専用アプリ「BMW Connected」で操作したり離れた場所から状態をチェックすることができ、「BMW Digital Key」技術によってスマートフォンからロック/アンロックも可能だ。また、同車のソフトウェアは無線アップデートに対応している。

BMWのフラッグシップ・クーペだけのことはあり、車両サイズはM850i xDrive クーペが全長4,851mm × 全幅1,902mm × 1,346mm、840d xDrive クーペは全長4,843mm × 全幅1,902mm × 1,341mm、ホイールベースが2,822mmと、現行「7シリーズ」よりは短くて低いが、初代8シリーズよりさらに大きい。

BMWは新型8シリーズの価格をまだ発表していない。欧州で発売になる11月が近づけば明らかになるだろう。



By JOHN BELTZ SNYDER
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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