電気飛行機eFusionが試験飛行中に墜落、乗員2名が死亡。直前に出火、垂直に落下したとの情報も
ハンガリーのMagnus Aircraft社が製造する電気飛行機のプロトタイプ「eFusion」が墜落する事故が発生し、乗員2名が死亡たことを、この飛行機の開発に協力し電動機を供給する独シーメンスが発表しました。eFusionはMagnusの新社屋完成を祝ってデモ飛行をしていたとのことで、乗員のうち少なくとも1名はMagnusの社員だったとのこと。
eFusionは現在はまだプロトタイプとして開発が続けられており、完成すれば1機あたり約20万ドル(約2200万円)で販売する予定でした。

事故原因はまだ明らかになってませんが、墜落の瞬間に炎に包まれたとの証言がある一方で、墜落の直前に出火したのち、垂直に落下したとの報告もあり情報は錯綜している模様です。ただ、リチウムイオンバッテリーは過充電や過放電、または物理的な内部損傷によって発火を伴う「熱暴走」が発生しやすく、飛行中の出火が墜落に結びついた可能性が高そうです。

シーメンスは「現時点では原因の特定はされておらず、事故当時の状況についても話すことは無いものの、当局と密接に協力して事故原因救命に尽力する」としています。また事故原因が明らかになるまでは「予防的措置としてすべてのeFusionの飛行を禁止することを決定した」とコメントしました。

Magnus eFusionはコクピットの前方に多数のリチウムイオンバッテリーを搭載し、そこからシーメンスのSP55D型250kWモーターに電力を供給します。

リチウムイオンバッテリーは、2013年に発生したボーイング787ドリームライナーでの火災原因に疑われて以降、ジェット旅客機には使用されていません。しかし、小型電気飛行機用としては安全性に関する大きな試験などは行なわれていません。

eFusionは曲芸飛行にも利用可能な機体で、非常時には安全に着陸するためのパラシュートも装備しています。ただ、事故を起こした機体がパラシュートを実際に備えていたかはまだわかっていません。

シーメンスは電気飛行機または電気ハイブリッド飛行機の開発に長く関わっており、エアバス、ロールスロイスとともに電気旅客機「E Fan X」の共同開発にも携わっています。もし、eFusionの墜落直前の出火がバッテリー由来のものと確定するならば、E Fan Xの開発スケジュールにも影響がおよぶことも考えられなくはありません。


By Munenori Taniguchi

※この記事は『Engadget日本版』より許可を得て転載しました。