我々は拡張現実(AR)がクルマのフロントガラスに採用されるの待ち望んでいるが、その一方でポルシェは、ディーラーの修理場で縁の下の力持ちとしてこの技術を米国のディーラーに導入した。同社の「Tech Live Look」システムは、高画質の映像や小さな画面を表示できるスマートグラスを使って、アトランタにあるポルシェ・カーズ・ノースアメリカ本社の技術者とディーラーの技術者をビデオ通話でつなぐというもの。グーグルグラスとパワーポイントのプレゼンテーションが出会ったようなものと考えていいだろう。

米国にある189のポルシェ・ディーラーの技術者たちが問題を抱えた時には、アトランタにある本社の技術者に連絡を取る。ディーラーの技術者が、ODG社製のスマートグラス「R-7」を装着し、AiR Enterpriseアプリに接続すると、本社の技術者の元には、ディーラーの技術者が見ている全てを映した高画質映像が送られてくる。本社の技術者は、画面に印を付けたり、スクリーンショットを撮って拡大したりして、それらをディーラーの技術者のレンズに表示できる。アトランタからは、ディーラーの技術者が必要な情報を得られるよう、テクニカルな図や文書などの情報をR-7のレンズに送る事も可能だ。

ポルシェによれば、従来は難しい問題を解決するために電話やEメール、サイトの参照などを行ってきたが、これらを排除することで、各ディーラーはメインテナンスの時間を最大で40%短縮できるという。これは、全てのポルシェのオーナーにとっても効率的で喜ばしいことだ。アトランタのテクニカル・サポートがディーラーの技術者が見ているもの(つまり問題のあるポルシェの車両)と全く同じ画面を見ながら、「スイッチを一度切ってからもう一度入れ直してみてください」などと具体的なアドバイスや指示をその場で行うことができるのだ。

ポルシェ・カーズ・ノースアメリカは、先週からTech Live Lookのユニットを自社の各ディーラーに納入開始した。年内に75のディーラーで完全に導入する見込みで、2019年には残りの114のディラーもそれに続く予定だ。



By JONATHON RAMSEY
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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