ポルシェが70年前に作られた「356」第1号車プロトタイプのレプリカを製作
Related Gallery:Porsche 356 prototype number 1

ポルシェが、その歴史の幕開けとなった「356」第1号車のプロトタイプ、通称「No.1」のレプリカを製作した。この「356 "No.1" ロードスター」は、1948年に(ドイツではなく)オーストリアのグミュントで作られた、ポルシェというブランド名を初めて冠したクルマだ。

その再現にあたり、ポルシェ・ミュージアムの専門家たちは、まず1948年製の実車から3Dスキャンを取り、当時の設計図とコンピューター上で照合し、さらに残された記録や写真も参考にして、正確な寸法や曲線半径を割り出したという。実物の車両は長年の間に修復や改良で何度も手が入れられており、オリジナルの形状とは違っているからだ。そのデータを元に、コンピューター制御のフライス盤を使って、硬質発泡体のブロックから実物大の356 No.1の形を削り出したそうだ。そして最終的には、70年前と同じように、手作業で金属板を叩いたり曲げたりして、ボディを完成させたという。塗装にも細心の注意が払われた。実車のボディは何度も塗り直されていたため、ダッシュボードの下に残っていたオリジナルの塗料から当時の色合いを分析し、可能な限り最初のボディ・カラーを再現したという拘りようだ。

こうして出来上がったボディには、当時の実車と同じく、フォルクスワーゲン「ビートル」のフロント・アクスルとステアリング・ホイールを流用し、同時代の計器類を装備して、インテリアも70年前と同じ方法で製作された。だが、実はこのクルマが走ることはない。エンジンは搭載されておらず、リア・アクスルも単なるパイプに過ぎない。ポルシェの歴史的象徴を再現することで、できるだけ多くの人々に見てもらうために8ヶ月かけて製作されたショーカーなのだ。ポルシェが用意した実車の写真と比べて見ても、いかにこのレプリカがオリジナルを忠実に再現しているかが分かるだろう。



ポルシェは創立70周年を記念して、オリジナルの356 No.1 ロードスターを、6月8日にドイツ・シュトゥットガルトのポルシェ・ミュージアムで開催される式典を皮切りに、7月12日〜15日に英国のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード、9月8日・9日にはカナダ・バンクーバーで行われるラグジュアリー&スーパーカー・ウィークエンド、そして9月27日〜30日まで米国カリフォルニア州モンテレーのラグナ・セカで開催されるレンシュポルト・リユニオンで展示するという。そして今回製作されたレプリカは、5月30日までドイツ・ベルリンにあるフォルクスワーゲン・フォーラムで展示された後、6月9日・10日に南アフリカのキャラミ・サーキットで開催されるイベント、7月半ばから9月にかけてドイツのポルシェ・ミュージアム、そして10月には中国の広州モーターショーで公開される予定だ。



By JOEL STOCKSDALE
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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