情報通信研究機構(NICT)は、ワイヤレスジャパン2018に、電子カーブミラーを出展した。

従来のカーブミラーは建物の影など見通しが悪い地点に設置され、目視により交通を確認する目的で設置されていた。

しかし、今回出展された電子カーブミラーはステレオカメラやLRF( Laser rangefinder )を内蔵しており、交通状況や道路状態を認識して、その情報を無線通信によりサーバに提供する機能を備えたシステムとなっている。

そのため、電子カーブミラーとは名前がついているものの、それ自体を運転者がこれまでのカーブミラーのように目視しても交差点の様子は見えないのだ。

電子カーブミラーが開発された背景は、将来的に普及するであろう自律型モビリティには、高信頼なインフラが必要になるということが想定され、これまでのカーブミラーでは、渋滞や規制工事等の状況把握が難しい場合があるからだ。


電子カーブミラーに組み込まれているのがこの「ロボビジョン2」と呼ばれるステレオカメラだ。交差点をモニターで見るだけであれば単眼カメラで充分だが、クルマ等の移動体との距離を認識するためにはステレオカメラやLRFが必要となるとのこと。

建物の陰や交差点など、見通しが悪い場所に設置された電子カーブミラーからは、クルマ等の移動体や障害物の位置、速度、種類等の情報を無線通信により、映像と共にサーバーに送信することが出来る。


自律型モビリティは、運転者が見たような情報をカメラで補足することは可能だが、運転者と同様に死角がある。そこを補ってくれるのがこの電子カーブミラーなのだ。

一般的にセンサーは複数設置されるが、無線通信により収集するため、実際に認識した時刻とエッジサーバーに収集される時刻には誤差が生じる。そのため、それを解決する方法として、同一エリアで共通の時刻を管理し、センサーの情報を送信する際にタイムスタンプを付与する仕組みが採用されている。

そして、エッジサーバーでは、タイムスタンプに基づいてある時刻におけるセンサー情報が統合され、その時刻における道路環境のスナップショットを生成、この情報がダイナミックマップに反映されて、最終的に自律型モビリティに配信されて活用されるとのことだ。

実証実験では、無線システムにはIEEE 802.11ac準拠の装置を用いて、5G通信を模擬して行われたが、5GやLTE等の他の無線システムに置き換えて動作させることもできるように設計されており、今後は様々な無線システムを用いてその性能を確認する予定となっている。

交差点での事故を防止する対策として、車車間通信による車両同士での情報交換なども実験されているが、限られたルートでの自律型モビリティの場合、このような電子カーブミラーが活躍しそうだ。

図表出典:NICT

■関連サイト
国立研究開発法人情報通信研究機構
http://www.nict.go.jp/press/2018/05/16-1.html#%E7%94%A8%E8%AA%9E2