【長期レポート】ホンダ「リッジライン」:親愛なるホンダへ。どうか自然吸気エンジンを作り続けてください
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より排気量の小さなターボチャージャー・エンジンへ移行が進む現在の情勢は、ホンダが急速にそうしたエンジンを採用しつつあることにも現れている。ホンダはこれまで頑固なまでに自然吸気エンジンに固執してきたメーカーの1つだからだ。2015年以前の「シビック TYPE R」にターボ・エンジンは搭載されなかった。ホンダは2006年にアキュラ・ブランドでから発売された初代「RDX」にターボ・エンジンを採用したが、当時は他のモデルに拡大せず、RDXも2012年にモデルチェンジした2代目では自然吸気V6エンジンに替えられた。

しかし、現行モデルの「アコード」は全車に1.5リッターまたは2.0リッターのガソリン直噴ターボ・エンジンが搭載されているし、「シビック」や「CR-V」も同様だ。アキュラでは独自にV6ターボエンジンを採用している。

これは必ずしも悪いことではない。ホンダの新世代ターボ・エンジンは運転が楽しいし、以前のホンダ車には感じられなかった強力なトルクを発生する。低コストで比較的簡単にパワーを引きげることができるチューニングのベースとしても魅力的だ。しかし、我々はホンダに自然吸気エンジンを作り続けてほしいと切に希望する。なぜなら、米国版Autoblog編集部に長期テスト車としてやって来た「リッジライン」の自然吸気V6エンジンがとても素晴らしかったからだ。

リッジラインの3.5リッターV6エンジンは、かつて世界中がホンダの自然吸気エンジンに恋した数多くの美徳を実証している。そのうちの1つは、並外れた滑らかさだ。ボンネットの下から不快な振動が発生することは決してなく、エンジン・ルームに子ネコが寝ているのではないかと思うほどソフトで穏やかな機械音が聞こえてくるだけだ。いや、聞こえてくるときもある、というべきだろう。高速道路を流しているような時にはエンジンの音はほとんど聞こえない。

しかし、その"子ネコ"を起こすと、ホンダ製エンジンの別の面を知ることになる。スロットルを踏み込むと、吸気音が激しく高まり、エンジンは強烈で切迫した唸り声を発しながら、レッドゾーンまで回転を上げていくのだ。だが、決して不快でも粗野でもない。例えていうなら、タキシードを着たライオンのようだ。

どちらかといえば、タキシードを着た仔ライオンと表現する方が適切かもしれない。洗練されていて、聴覚的な楽しさも与えてくれるこのV6エンジンは、パワーという観点から見ればリッジラインに不足はない。しかしそうなると、問題があるのはエンジンそれ自体よりもアプリケーションの方だろう。4,500ポンド(約2,041kg)の車両に搭載された最高出力280hpと最大トルク36.2kgm を発揮するV6エンジンは、パワーではやや劣る先代アコードに搭載されていたものと比べると鋭さが失われた。とはいえ、ほとんどのピックアップ・トラック・オーナーはスピードを追求しているわけではない。

効率や実用性についても議論はあるだろうか、今回は必ずしもそれについて触れなくてもいいだろう。この記事で言いたかったことは、優れた自然吸気エンジンがどんなに素晴らしいかということだ。健全なサウンドは、たとえハイパワー・エンジンではなくても、運転していて心地よさが味わえる。そしてこの記事を書いたもう1つの目的は、ホンダに自然吸気エンジンを、今後もできる限り長く、ラインアップに残してほしいと懇願するためである。


By Joel Stocksdale
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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