ドイツの都市は古いディーゼル車の走行を直ちに禁止可能に
ドイツ連邦行政裁判所は5月18日、ドイツの都市はEUの大気汚染規制への対策として古いディーゼル車の市街地走行を直ちに禁止できるとの判断を下した。

ディーゼル車禁止に反対する自動車メーカーからの激しい圧力にもかかわらず、ドイツは2月、大気汚染対策が不十分な都市に対する環境団体の提訴を認め、ディーゼル車禁止への道を開いた。

ライプチヒにあるドイツ連邦行政裁判所は、18日に公開した30ページにわたる裁定文の中で、走行禁止に猶予期間を設けるべきではないとしている。

「そのような制限は強まっているが、運転者が常に考慮し基本的に受け入れなければならない道路法規定で正当化されている他の通行および停車の禁止を超えるものではない」と同裁判所は述べている。

欧州の自動車メーカーはディーゼル・エンジンに多額の投資をしてきた。ディーゼル・エンジンはガソリン・エンジンに比べて、地球温暖化を引き起こす二酸化炭素の排出量が少ないものの、病気の原因となる他の汚染物質の排出量は多い。ディーゼル車の市街地乗り入れを各都市が禁止できるようにするドイツの動きは、自動車産業の将来に広範な影響を及ぼす可能性がある。

裁定文では、主要な道路や道路区間での走行を直ちに禁止することが合法となり、最新の排出ガス規制「ユーロ6」の適合車を除く全ての車種に影響を及ぼす可能性があると述べられている。ユーロ6は2014年に施行された。

幹線道路や中小の道路を多数含む広い市街地エリアへの乗り入れ禁止については、同裁判所は「ユーロ4」規制に適合する古い車両からの段階的実施を勧告した。2009年にはユーロ4に替わってユーロ5が施行されている。

同裁判所は2月、ユーロ5の適合車は2019年9月1日まで禁止の対象とするべきではないとし、配達者や一部の住民は除外されるとも述べていた。

今回の裁定は、2015年に発覚したフォルクスワーゲンのディーゼル車排出ガス試験不正を受け、高まった規制を求める声に対する最新の動きで、ドイツの環境団体DUHからの提訴がきっかけとなった。

DUHの代理人を務めるレモ・クリンガー氏は、「各地の裁判所は本日受け取った裁定文を待ち望んでいました。多くの訴訟で速やかに口頭審理が行われ、判決が下されることになるでしょう」と話している。DUHはミュンヘン、フランクフルトなどドイツの28都市で訴訟を進めている。

ドイツ第2の大都市ハンブルクは5月16日、古いディーゼル車の走行禁止を実施するための掲示を始めたと発表した。地方当局は今月末から規制を実施する見込みだ。


By JAMES RISWICK
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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