【試乗記】インフィニティ「Q60 レッドスポーツ400」 パワーや走りよりも美しさを求める人へ
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新型インフィニティ「Q60 レッドスポーツ 400」は、完璧なまでの美しさを感じさせる。そして、それは重要なことである。なぜなら高級パーソナル・クーペは、自動車市場で他のどのセグメントよりも、新型車について議論を巻き起こすことが可能な"注目を集めるルックス"を備えていなければならないからだ。このクルマは、まさにそうと言える。

The Q60 brings INFINITI’s powerful design language into the sports coupe segment with remarkable success, with its daring curves, deep creases, and flowing lines intensifying its low, wide, powerful stance. The look is progressive and modern, yet dynamic and moving.
また、レッドスポーツ 400という名前が、Q60のハードウェアにそぐわない一種のパフォーマンス・イメージを喚起させる点も重要だ。しかし、馬力とトルクについて掘り下げる前に、まずはスタイルについて言及しておこう。最近のラグジュアリーカー・メーカーの大多数と同様に、インフィニティはひと目で同社のクルマと認識できるデザインのバリエーションを全モデルに採用することに熱心に取り組んでいる。だが、インフィニティは、例えばレクサスのようなメーカーとは違って、新型車を先代モデルの単なるパロディに貶めることなく、スタイリング主導型のマーケティング戦略でほぼ成功を収めてきた。

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フロント・フェイスは曲線的なクローム・グリルが特徴で、スタイリッシュなヘッドライトに視線を促す小さな翼型のタブが見て取れる。このヘッドライトは、アイメークを施したようなLEDがあしらわれており、一歩間違えば目も当てられない失敗になりかねないスタイリングだが、Q60にはよく似合っている。目線をフロントから離すと、デザインの統一感を乱していると感じさせるような平板な箇所はどこにも見当たらない。Q60のボディ・パネルは、タフィー(キャラメルやヌガーに似たアメリカのお菓子)の生地作りのように伸ばされたり、押しつけられたりして成形されている。

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我々がQ60の外観に文句をつけるとしたら、フロント・ホイールのすぐ後ろに備わる余計なクロームで縁取られたスリットと、フェンダー脇に付けられた排気量を表す小さなバッジくらいだろう。どちらも必ずしも必要なものとは思えないし、最後の最後に付け加えられた感じがする。とはいえ、全体の統一感を大きく損なうほどの不満ではないし、クロームのベントは395ドル(約4万3,000円)の追加料金を支払えばカーボンファイバーに変更可能だ。

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ボディカラーは、ダイナミック・サンストーン・レッド以外の色を選んだらほとんど罪といってもいい。この深みのある色合いは、Q60の流麗なラインと完璧に調和しており、我が社のドライブウェイに駐車していたこのクルマを目にした人は、誰もが口々に色の良さを褒めてくれた。他の色も用意されてはいるが...やはり赤を選ぶべきだろう。

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我々が試乗したQ60 のシートは美しいオフホワイトのレザー張りだったが、すでに擦れた傷みや色落ちが見られた。代わりに我々ならレッドのレザーを選ぶだろう。ブラックも選択肢としてあり得るが、そうなるとレッドやホワイトのインテリアに用意された人目を引くシルバー・オプティック・ファイバー・トリムではなく、よくあるカーボンファイバー・トリムが組み合わされる。我々が特定のカラー・コンビネーションに強くこだわることはあまりないのだが、このシルバー・カーボンのトリムを求めるなら、エクステリアはダイナミック・サンストーン・レッドを選ぶべきだという主張は信じてほしい。

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では、パワートレインに話を戻そう。レッドスポーツ 400の3.0リッターV6ツインターボ・エンジンには良い点もあれば、それほど良くない点もある。良い点はスムーズであり、旧式のVQ型エンジンには望み得ない洗練を感じることができる。最高出力400hp、最大トルク48.4kgmという性能も魅力的だ。この価格帯のラグジュアリー・クーペ には適切な数字だろう。しかし、アグレッシブな運転で、エンジン回転数を最大まで上げても、サウンドはほとんど聞こえない。ターボチャージャーの金属的な回転音も、背後からの排気音も、甲高い咆哮も、迫力のある低音の響きも、一切聞こえてこない。

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最大の問題は、運転している時に400馬力ものパワーが感じられないことだ。試乗車のQ60 レッドスポーツは全輪駆動で、車両重量は1,825kgと決して軽量とは言えない。ダイノグラフを見なくとも、我々の勘と経験から、このV6エンジンはアイドリングから回転を上げ始めた直後に十分なパワーが出ていないことは明らかだ。7速オートマチック・トランスミッションのクオリティやシフト・タイミングに不満はないものの、この高回転型のパワープラントを最大限に活かせるギア比の設定とは思えなかった。

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そしてコンピューター制御によるステアリングのセットアップにも問題がある。公平を期すため伝えておくと、この第2世代の「ダイレクト・アダプティブ・ステアリング」(オプション)はインフィニティ初期のステア・バイ・ワイヤよりもはるかに優れている。しかし、依然としてラグジュアリーカーのステアリングというよりも、まるでビデオ・ゲームのような感覚に思えることが度々ある。ドライバーが操るステアリング・ホイールから、何列にも並ぶ0と1の数字を数メートルにおよぶ配線といくつかのCPUを通し、前輪を作動させていることは明らかだ。実際にそのように感じるのだ。デジタルなハンドリング・システムは、ある種の自動車では受け入れられる進化なのかもしれないが、見るからにスポーティな装いをしたパーソナル・ラグジュアリー・クーペ にはそぐわない。我々なら一般的なステアリング・ラックの方を好む。

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最終的にまとめると、このインフィニティ Q60 レッドスポーツ 400は、筋力(パワー)や頭脳(レスポンス)よりも容姿の美しさをクルマに求める人々に売れるだろう。それはそれで素晴らしいことだ。6万5,000ドル(約720万円)の予算があるとして、自宅前のドライブ・ウェイに駐車している時に虚栄心を満たしてくれるというのは、それだけでこのクルマを選ぶ理由になるからだ。


スペック
エンジン:2,997ccV型6気筒ツインターボ
最高出力:400hp/6,400rpm
最大トルク:48.4kgm/1,600-5,200rpm
駆動方式:全輪駆動
トランスミッション:7速オートマチック
サイズ:全長4,684mm × 全幅1,849mm × 全高1,394mm
ホイールベース:2,850mm
車両重量:1,825kg
EPA燃費:市街地8.08km/L、高速道路11.05km/L
メーカー希望小売価格:5万4,000ドル(約600万円)から


By JEREMY KORZENIEWSKI
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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