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パトリック・ロングは米国人で唯1人のポルシェのワークス・ドライバーとして、ル・マン24時間レースやデイトナ24時間レースのクラス優勝をはじめ、サーキットにおける数々の成功で知られているが、友人のカート・レーサーであり広告デザイナーでもあるハウイー・イデルソン氏と共に、空冷エンジンを搭載するポルシェのイベント「ルフトカルト(Luftgekühlt)」を立ち上げたことで、ポルシェ・ファンの間ではますます知名度が上がっているようだ。

「空冷エンジンを搭載するポルシェの中で、ぜひ見ていただきたい特別なモデルがいくつかあるのです」という彼の言葉に従って、我々は8エーカー(約7万3,000平方メートル)の敷地にビンテージのポルシェや材木の棚が並ぶ巨大な材木置き場を歩いていく。

今年の会場となった米国カリフォルニア州トーランスにあるホームセンター、ガナル・ランバーの巨大な倉庫で、彼は親切にゲストを受け入れ、同イベントのために並べられた600台の空冷ポルシェの中から、お気に入りの10台を選ぶという大変な作業を進めていた。

ロング氏の選んだ10台は以下の通りだ。同氏のコメントと共に写真をお楽しみ頂きたい。


10. 1954年型 ポルシェ「356スピードスター」

「私は356に夢中で、そのドライビングもルックスも大好きなんです。この1台はマーク・ハッダウィ氏の所有する"プレA"と呼ばれる1954年型で、現実離れしたブルーのペイントとスピードスターの組み合わせが素晴らしい1台です。コンディションは信じがたいほど良く、私は一日中何度もここに戻って来ては、このクルマを眺めています」


9. 1969年型 ポルシェ「911S」

「1969年は911にとって変化の年でした。初めてロングホイールベースが採用された年で、2.0リッター・エンジンを搭載する最後の年でした。アンソニー・リミッチ氏の所有するこの911Sは、長年にわたる激しい運転を感じさせる勇壮な色合いとオリジナルの自然な外観を保っています。内部の機械類は完璧な状態に整備されています」


8. ポルシェ 964型「911カレラ RSR 3.8

「このクルマは964型911に関して言えば頂点に位置しています。1993年のシーズンに完全なレース用モデルとしてデビューした911カレラ RSR3.8は、ル・マン24時間レースのGTクラスで、ユルゲン・バース、ジョエル・グイエ、ドミニク・デュプイが乗り勝利を収めました」


7. ポルシェ「356プリA ブルー・パティーナ

「この1953年型の356プリAは、65年経った今も完全にオリジナルに近い状態で保管されている遺物といえるでしょう。長い生涯でオーナーはたった2人だけという素性も素晴らしい」


6. 1996年型 ルーフ「BTR」

「日曜日の朝5時に、このルーフを台の上に移動させたのですが、朝日に照らされた同車のインテリアは次元が違う美しさに見えました。同車のスペックや性能について書かれた文章はたくさん読みましたが、製造や仕上げの品質の高さは過小評価されていると思います」


5. ポルシェ「908K」

「908Kはポルシェのプロトタイプの中で私が最も好きなモデルの1つです。980はミュルザンヌのストレートに合わせた高速走行用のロングテールが最初に作られましたが、後に俊敏な"Kurzheck"(ドイツ語でショートテールを意味する)が登場しました。このショートテールの908は、ルフトカルトにゲストとして参加したビック・エルフォードが運転したクルマです。1968年に行われたスパ1,000kmレースで同車をドライブしたのが彼とJochen Neerpaschでした」


4. 1984年型 ポルシェ「911SC/RS」

「これは実に素晴らしい911。FIA世界ラリー選手権のためにヴァイザッハのエンジニアによって20台のみが生産されたグループB仕様のマシンです。その開発にあたり、市販モデルの911から約180kgも軽量化され、エンジンのパワーは50馬力引き上げられました。スティーブン・ハリス氏の所有するこの1台はオリジナルの純度が非常に高く保存状態もいいですね」


3. 1949年型 ポルシェ「356/2 クーペ グミュント」

「このクルマは歴史的に名高いクルマで、時代はポルシェが自動車メーカーとして設立された当初にまで遡ります。あまり知られていないことですが、アルミニウム製のボディを持つ356の最初の52台はオーストリアのグミュントにある製材工場において手作業で生産されました。ジェリー・サインフェルド氏の所有するこの1台は、グミュントで生産された40台目のクルマで、現存する30台の中の1台です」


2. 「356 ブルー・アイス・レーサー」

「激しい4カム・エンジンを搭載するこの356は、スウェーデンの氷結した湖で行われるレースのために製作されたマシンです。当時の氷上レース用のトゲトゲしたスパイク・タイヤと一緒に展示されています。


1. 1962年型 ポルシェ「804 F1」

「ポルシェはスポーツカー・レースで有名ですが、1962年にはF1に参戦しています。この804は鋼管チューブラー・フレームに185馬力を発生する水平対向8気筒エンジンを搭載。ダン・ガーニーがこのオープン・ホイールのポルシェをドライブして、1度だけフランス・グランプリで優勝しました。ポルシェの故郷であるシュトゥットガルトの北に位置するソリチュード・サーキットで行われたレースです!

1962年シーズンが終わると、フェリー・ポルシェはF1から撤退するという苦渋の決断を下し、リソースを901と呼ばれる新型車の開発に注ぐことにします。この名前が商標権の問題から後に911と変更されました。この歴史的なクルマを持って来てくれたダーク・レイヤー氏とランソン・ウェブスター氏に感謝!」


By CARTER JUNG
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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