フォルクスワーゲンが、米国の自動車ヒルクライムイベント「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に出場するために開発したEV「I.D. R Pikes Peak」の実物マシンを公開しました。このマシンは現在のパイクスEVクラス記録8分57秒を打ち破るために設計されています。

スペックだけを見ると、現在のEV記録保持マシンDrive eO PP100は出力1596HP、車重1134kgで、I.D. R Pikes Peakの680HPモーターx2(合計1360HP)、1206kgは不利なようにも思えます。しかし、オープンプロトタイプカーにロールバーをかぶせたようなDrive eOに比べ、I.D. R Pikes Peakのデザインはよりル・マンプロトタイプ(LMP)マシンに近く、空気抵抗の少なそうななめらかなデザインを特徴としています。

ヘアピンコーナーが連続する区間で威力を発揮する加速性能をみると、I.D. R Pikes Peakの0-60mph加速は2.25秒とされており、VWいわくこれはF1マシンを凌ぐ性能であるとのこと。さらにバッテリーの軽量化のため、必要なエネルギーの20%はブレーキ回生から得るよう設計されています。
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究極に攻めたマシン設計は、そのパフォーマンスを発揮するために最高のコンディションと最高のドライバーパフォーマンスを必要とします。今年のパイクスは6月24日に決勝が開催される予定ですが、記録樹立は当日の天候など不確定要素によっても左右されます。

とはいえ、VWが実際の目標として挑もうとしているのはおそらく2013年にプジョー208カスタムカーを駆るWRCチャンピオン、セバスチャン・ローブが記録した全体のコースレコード記録8分13秒878を破ること。残る1か月半で、車体軽量化を中心としたマシン開発が続けられるものと思われます。


By Munenori Taniguchi

※この記事はEngadget日本版より許可を得て転載しました。