2008年6月に購入したヤマハ「グランドマジェスティ」が10万kmを走破。仕事に、プライベートにと苦楽を共にしてきた筆者にとっての最高の相棒だが、そんなグランドマジェスティも2015年4月にエンジンが完全にオシャカになる深刻なトラブルに見舞われている。愛馬を廃車にするには忍びなく、修理を決めた筆者だったが...(写真:外装カウルとエンジンを外されてバラバラの状態で工場の片隅に置かれた筆者のグランドマジェスティ。端から見ればスクラップにしか見えないが...)。

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【第1回】ヤマハ「グランドマジェスティ250」で10年10万kmを走破した!

【第2回】深刻なトラブル発生!


まずはネットオークションで
中古エンジン探し


中古エンジンをGETすべくオークションサイトにアクセスすると、複数のグランドマジェスティ用エンジンが出品されていた。オークションのスタート価格は、ピンは5,000円からキリは4万円まで、走行距離も1万km台から5万km台までさまざまなエンジンが出品されていた。どの出品者も皆一様に「実働品」「完調」「異音なし」などとコンディションの良さをアピールしているが、もちろん、彼らの言葉をそのまま鵜呑みにはできない。

選択が難しいのは、高いエンジンを買ったからといってトラブルフリーでそのまま使えるとは限らないし、反対に安いエンジンでもアタリがあるかもしれない。結局、手元に現物が届かないことには判断がつかないのである。けれども、高いエンジンを買ってハズレを掴んでしまったらダメージが大きいし、あまりに安いエンジンを買うのも不安が残る。そこでオークション評価がまずまず高い出品者の中から、相場よりも少し安い1万5,000円というスタート金額をつけていたエンジンに入札することにした。


(写真:ネットオークションで購入した中古エンジン。メッキのジェネレーターカバーとミッションケースが付いていた。カスタム車両から取り外した物のようだ)

結局、オークションの締め切りまでライバル不在のまま入札金額で落札できた。入金手続きを済ませてエンジンが届いたのは、それから数日後のことだった。さっそくYSP京葉で載せ換え作業をしてもらう。セルを回してエンジンに火を入れると、アイドリングはまずまず安定していた。「これはアタリかな」と思ったのも束の間、エンジンが温まったところでスロットルを開くと、中速域でアイドリングがバラツキ始めた。

「ああ、これはちょっと調子が悪いですね。持ち込まれたエンジンにパワーフィルターがついていたので心配だったのですけど、内部はだいぶ消耗しているようです。でも、ベースエンジンとして考えればそんなに悪くないですよ。修理すればまだまだ十分使えそうです。どうしましょう? とりあえず動くし、しばらくこのまま乗っちゃうっていう手もありますけど......」

担当メカニックはこちらの顔を覗き込むように尋ねてきたが、答えは端から決まっている。断じて否だ。
「ここまで来たら完調に仕上げたい。エンジンをOHしましょう。必要な部品は注文して下さい。あと10万kmは乗れるようにしっかり仕上げて下さい。お願いします」

そう言って、筆者はメカニックに深々と頭を下げた。


(写真:購入した中古エンジンをバラした状態。クランクシャフトにガタが来ており、ピストンにもキズが入っていた。これをベースに新品部品を使ってオーバーホールすることに)

トラブルから4カ月後に修理完了!
修理代は25万円を超える


愛馬を修理に預けてから4カ月あまりが経過した2015年9月12日、ついにグランドマジェスティの修理が完了した。

YSP京葉に愛馬を引き取りに行くと、担当メカニックは「長らくお待たせしてすみません。修理の説明をしますのでこちらへどうぞ」とカウンターへと案内してくれた。そこで差し出された明細書を見ると、修理部品と作業項目が用紙2枚に渡ってビッシリと書き込まれている。内訳は部品代が12万1,589円、工賃が12万852円で、合計金額は24万2,441円(内消費税が1万7,959円)だった。修理はエンジンのOHが中心だが、一緒に頼んだステムベアリング、エンジンマウントの交換も含まれている。

エンジンの交換部品はクランクシャフトアッセンブリーに始まり、シリンダー、ピストンと構成部品のほとんどが新品に交換されている。結局、ネットオークションで落札した中古エンジンはシリンダーヘッドとエンジンブロック以外はほぼ使い物にならなかったようだ。だが、それでもベースエンジンを手に入れたことで、だいぶ修理代を節約できたらしい。事実、メカニックは「壊れたエンジンは完全に終わっていました。ただ、今回は中古エンジンがベースにできたことは幸いでした。ブロックやヘッドまで新品を取り寄せていたら、とてもではないですが、この金額では収まりません」とのことだった。


(写真:ヤマハから届いた修理部品の数々。エンジンの修理と並行してガタが来ていたステムベアリングも交換することにした)

中古エンジンの購入費を合わせて25万円を超える修理代は痛い出費であった。過走行のビッグスクーターにこれほどの修理費を費やしたことは、自分でも些かバカが過ぎたとは思う。だが、結果に後悔しているかと聞かれればもちろんそんなことはない。

筆者にとってこのグランドマジェスティはただのアシではない。08年に中古で購入して以来、仕事にプライベートにと苦楽をともにしてきたまさしく相棒である。もちろん、同型の中古車を買い直すという選択肢を考えなかったわけではない。中古相場のこなれているグランドマジェスティのことだ。修理費用の分を充てれば、そこそこの程度の中古車が買えただろう。でも、それはあくまでも同型車というだけで筆者がともに走ったグランドマジェスティそのものではない。

他人からすればくだらない感傷、何の価値もない自己満足に映るかもしれないが、筆者はそれで構わないと思っている。もともと二輪車は趣味性の高い乗り物だ。経済利得性だけで乗るわけではない。だから、グランドマジェスティの修理に支払った費用は高いとは思わないし、担当メカニックが修理に費やした時間と労力を考えれば安いとさえ思うくらいだ。

後日、友人のメカニックに乞われるままにYSP京葉の発行した明細を見せたところ「作業内容を考えたらとてもじゃないが割にあわない。これを見て請求金額が高いと感じる人がいたとしたら己の不明を恥じるべきだ。この仕事でYSP京葉はほとんど儲けを出していないよ」と語っていた。


復活したグランドマジェスティで熊本地震の被災地へ...第4回に続く!!


(写真:エンジン周りの交換部品。四輪で効果を実感したエンジンマウントの交換も行った。交換によってエンジンからの振動などが若干少なくなった)


(写真:4ヵ月にも及んだ修理によって完全復活した筆者のグランドマジェスティ。再納車された直後、「平成27年9月関東・東北豪雨」の取材で茨城県常総市の鬼怒川堤防決壊現場に赴いた際に撮影)

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【最終回】往復3,000km! 熊本地震の被災地へ向かう

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【第2回】深刻なトラブル発生!