【オーナーズ・リポート】ヤマハ「グランドマジェスティ250」で10年10万kmを走破した! 山崎 龍【第1回】
10年・10万kmを走破した
グランドマジェスティ


2008年6月に1年落ち・走行1万4000kmの中古車を購入してから9年10カ月。愛用しているビッグスクーターのヤマハ グランドマジェスティ250が10万kmの大台を超えた(写真:10年・10万kmを走破した筆者のヤマハ グランドマジェスティ。今年4月1日に京都府宇治市内の京アニショップ前にて撮影)。


大学卒業間際に中型自動二輪免許を取得して以来、バイクは移動のアシと割り切り、2万円で買ったカワサキ エリミネーター250SEやら、4万円で買ったドゥカティ 400F3(名変不可の金融流れ車)やら、3万円で買ったスズキ DF200やらと安いポンコツ車を買ってきては乗り換えるという生活を送っていた。だが、ちょうどその頃、まとまったカネが手に入ったこともあり、まともに乗れるバイク、それも移動手段として快適なビッグスクーターを買うことにしたのだ(もちろん、新車を買う予算はないので中古車狙いで...)。

はじめは人気のあった2代目ヤマハ マジェスティを候補に考えていたのだが、中古車情報サイトを調べてみると、欧州向けマジェスティをベースに新開発の水冷250cc単気筒DOHCエンジン(のちに欧州仕様と同じ400cc版も追加設定された)を搭載し、国内仕様とした上位モデルのグランドマジェスティのほうが中古車相場は安いことに気がついた。

中古車が安い=不人気車というのは市場でのひとつの真理ではあるが、不人気がそのまま不出来な製品とは限らない。

00年代のビッグスクーターブームを牽引したのは、1999年に登場した2代目マジェスティ、それもショートスクリーン、バーハンドル、メッキミラー、ホワイトメーターを備えたヤンチャ仕様のC型であったことに異論を挟む人は少ないだろう。当時はそんなマジェCをさらにカスタムして、アウターカウルとインナーカウルを極彩色でリペイントし、ホイールをメッキ化、シートをエナメル地に張り替え、カスタムマフラーに交換するスタイルが若者を中心に大ブームとなっていたのだ。

だが、カスタムベースとして妹分のマジェCが人気を集めるいっぽうで、グランドマジェスティはヨーロピアンルックの落ちついたスタイリング、カスタムパーツの少なさ(あくまでもマジェCとの比較の話だが)、大柄な車体による足つきの悪さ、発進加速の鈍さなどが短所と評され、市場での人気は今ひとつ盛り上がらなかったようだ。

しかしながら、地味なルックスは中年がアシとするのにはむしろ長所となるし、派手なカスタムにはそれほど興味がなかったのでアフターパーツの少なさは気にならなかった。足つきの悪さはヤマハ純正用品メーカーのYSPから発売されていた販売されていたローダウンサスキットを使えば改善ができる(乗り心地は少し悪くなるが...)。発進加速が鈍いという評価もことさらスポーツ性能を求める車種でもないので無視することにした。


写真:2008年6月に走行距離1万4000kmの07年式グランドマジェスティを車両本体33万円・総額40万円で購入。撮影場所は購入後に初めてのショートツーリングで訪れた埼玉県久喜市の鷲宮神社で撮影。

1年落ち・走行距離1万4000kmの
中古車をコミコミ40万円で購入


そして、何よりもグランドマジェスティには、ヤマハ独自の(CFアルミダイキャスト)製フレームによる剛性感の高さ、大柄な車体による積載性、ロングホイールベースによる直進安定性などの短所を補って余りある長所もある。ネットで見つけたオーナーレビューには、「丈夫で部品の耐久性に優れる」「高速での安定性は極めて高い」「荷物の積載性も良い」などと書いてあった。

これらのことを総合的に判断して、仕事で長距離動も多い筆者にはデメリットよりもメリットのほうが多い車種だと思われたことから、購入車種をグランドマジェスティ1本に絞って予算と条件に合う中古車を探すことにした。

購入候補はほどなくして見つかった。某大手バイクチェーンで1年落ち(07年式)・走行距離1万4000km・事故歴なし・ワンオーナーの車両が33万円で売りに出されていたのだ。購入後の保証内容やオイル交換無料チケットなどのサービスも充実している。販売店は家からちょっと離れた吉祥寺だったが、亀有や柏などのチェーン店などの近隣店でもサービスが受けられるという。そこで店に連絡を入れてから実車を見に行くことにした。

吉祥寺の店舗で対面したグランドマジェスティは上品なブルーの車体で目立つキズもなく綺麗だった。走行距離の割にはコンディションも良く、フルノーマルで改造やカスタマイズもされていない。店のまわりを少し試乗させてもらったがとくに問題もないようだったので、その日のうちに契約書にハンコを押すことにした。詳しい金額は覚えていないが、支払い総額はコミコミで40万円ほどだったと思う。



納車から1カ月後にGIVIのリアボックスを取りつけた。これによって積載性能が大幅にアップし、グランドマジェスティは仕事やツーリングで活躍するようになる。

所有して魅力がわかった
ビッグスクーター界のベンツ


こうしてグランドマジェスティによる筆者のスクーターライフが始まった。納車された新しい愛馬は、じつに快適で走りも良く楽しかった。

車名につけられた「グランド」の文字は伊達ではなく、剛性感の高いフレームは高速走行時にロードローラーのような安定した走りに貢献し、長距離を走ってもまったく疲れ知らずである。車重に対してアンダーパワーを指摘されたエンジンだったが、実際に生活を共にしてみると、たしかに出足こそ鈍いものの中間加速はそれなりに鋭く、交通の流れを充分リードすることもできる。そして、広大なトランクルームは多くの荷物を飲み込み、仕事のアシとしても、買物などのデイリーユースとしても、ロングツーリングの相棒としてもまったく不満を感じなかった。

400ccエンジンを搭載する欧州版マジェスティに新開発の250ccエンジンを組み合わせたグランドマジェスティは、エンジンよりもフレームのほうが速く、アンダーパワー気味ではあったが、その分フレームや足回りに与える負荷も小さいため部品の耐久性も高かった。たしかにマジェスティよりも部品単価は割高だったが、部品の交換サイクルが長いので、トータルの維持費はそれほど変わりがないように思われた。

250ccクラスとは思えない安定感と重厚な乗り味、長距離移動時の快適性、実用性の高さ、耐久性などの数々の長所を備えたグランドマジェスティを筆者がひと言で評するなら「ビッグスクーターのベンツ」である。日常のアシとして愛用しているうちに筆者は次第にこのビッグスクーターに惹きつけられて行った。

09年に政府が景気刺激策として「1000円高速」の制度をスタートさせると、グランドマジェスティの走行距離は加速度的に増えて行った。愛馬に乗ることがとにかく楽しかったので、休日の度に愛車で出かけることが増えて行った。ときには「今週は関西、来週は東北」と1ヵ月で5000kmも走ったことさえあった。それでも25km/L以上も走るグランドマジェスティは財布に優しかった。

また、それとともにより乗りやすく、より使いやすくするために、ロングスクリーンとGIVIのボックスを追加し、ローダウンサスやYSPのオーディオキットを組み込むなど、使いやすく、より快適に乗ることができるように少しずつカスタマイズを施して行った。

10年10万kmの間には深刻なトラブルも...第2回へ続く!!

続きはこちら
【第2回】深刻なトラブル発生!

【第3回】壊れたエンジンを載せ替えて復活!

【最終回】往復3,000km!熊本地震の被災地へ向かう



写真:2009年、雑誌の企画でアニメのステッカーが貼られて痛単車となる。撮影後にすぐにステッカーを剥がしたのは言うまでもない。


写真:退役したF-4EJファントムⅡとのツーショット。2010年に青森へロングツーリングに行った際に三沢航空科学館で撮影。F-16やT-2など軍用機と愛車を一緒に撮影できる貴重な施設だ。