2018 スーパーGT開幕戦の決勝レースが4月8日、岡山県美作市・岡山国際サーキットで開催された。
GT500クラスは#17 KEIHN NSX-GT 塚越広大/小暮卓史組がポール・トゥ・ウィンで総合優勝、GT300クラスは#18 UPGARAGE 86 MC 中山友貴/小林崇志組がクラス優勝を果たした。



朝方には小雪もぱらつくほど冷えこんだ岡山国際サーキットだが、決勝レースがスタートする頃には12度にまで気温が上昇、各陣営ともタイヤ選択に悩まされる。

GT500クラスでは、ポールポジションからスタートした小暮は、41周目のピットインのタイミングでタイヤ無交換でピットアウトしてきた#100 RAYBRIG 山本尚貴に前に出られてしまう。

しかし43周目にはドライバー交代した塚越広大が順位を回復して実質トップに返り咲くと、その後は後続との差を広げていく。

このままフィニッシュに向かって力強く走行をするかと思われたレース終盤の残り10周に驚きの光景が飛び込んでくる。



この影響により、2位を走行する山本が徐々に差を詰め、残り3周でテール・トゥ・ノーズの争いにまで接近。タイヤ無交換という作戦をとったRAYBRIGのNSX-GTは、ついにKEIHINを捕らえきることができず、KEIHINは辛うじてトップチェッカーを受けた。



2位には5番手からスタートした#100 RAYBRIG NSX-GT 山本尚貴/ジェンソン・バトン組が入った。
スタートを担当したバトンは「周りにマシンだらけで混乱した」という状況で順位を8位にまで落としてしまった。しかし、「2周目からは落ち着きを取り戻した」と語ったように、タイヤ無交換作戦を立案したチームに対し、優れたタイヤマネジメントでペースを保ちながらタイヤを温存、後半戦を走る山本にマシンを託した。



タイヤ無交換作戦でKEIHINの前に出た山本は、残念ながらトップをキープすることは叶わなかったものの、デビュー戦のバトンを2位表彰台に上げることに成功した。



予選でQ1敗退して9番手スタートだった#1 KeePer TOM'S 平川亮/ニック・キャシディ組は、レース序盤こそタイヤの温まりが遅く順位をキープするのが精一杯だった。しかし熱が入ってからは次々と上位陣を崩し、38周目にはバックストレートエンドでトップを行くKEIHINの前に出ることに成功。

しかし首位は長く続かず、タイヤ交換、ドライバー交代のピット作業を行ってコースに復帰すると、KEIHINとタイヤ無交換作戦を実施したRAYBRIGに先行を許してしまう。

後半スティントを担当した平川は、先行する2台との差を詰めることは叶わなかった。しかし岡山を得意とする平川は、後方から迫る敵陣を寄せ付けることはなく、3位表彰台を獲得した。



なお、日産勢では、ジャンプスタートによってドライブスルーペナルティを受けた#23 MOTUL AUTECH GT-R 松田次生/ロニー・クインタレッリは5番手、#25 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R J・P・デ・オリベイラ組も6番手でフィニッシュしたことは、今後のレースに混戦を予感させるトピックだった。


作戦の違いが明暗を分けるGT300クラス



GT300クラスでは、タイヤ交換が明暗を分ける形になった。
予選9番手からスタートした#18 UPGARAGE 86 MC 中山友貴/小林崇志組は、ピット作業ではタイヤ無交換作で後半スティントに臨み、同じくタイヤ無交換の#25 HOPPY 86 MC 松井孝允/坪井翔組を猛追。



62周目にはGT500クラスを上手く使って#18小林が#25松井をダブルヘアピンで仕留め、トップに浮上。
安定したペースをレース後半まで維持して、クラストップチェッカーを受けた。



前をゆく2台と違う作戦で、リアタイヤ2本のみの交換で後半戦に臨んだ20番手スタートの#7 D'station Porsche 藤井誠暢/スヴェン・ミューラー組は、レース前半は崩れる各チームをよそに着実に順位を上げていく。そしてピットアウト後では、同じ作戦を取って3番手を走る#65のAMG GT3を残り7周でパスすると、さらにその先を行く2番手の#25 86 MCをも残り5周で抜き去り、2位表彰台を獲得。



元祖タイヤ無交換といえば#25 HOPPY 86 MCの つちやエンジニアリングだが、今回はゴールまでタイヤを保たせる事ができなかった。
しかし各陣営が接触などによって次々とリタイアしていく中、自分たちの作戦を着実に実施して3番手に食い込み、開幕戦からポディウムを獲得することに成功した。

第2戦は5月3-4日、静岡県・富士スピードウェイにて開催される。


写真協力:正木寛之