【NYオートショー2018】リンカーン、3列シートのスタイリッシュな新型クロスオーバー「アヴィエーター」を公開!
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ニューヨーク州マンハッタンのミート・パッキング・ディストリクトにあるスタジオにて、リンカーンの3列シートを備える新型ミッドサイズ・クロスオーバー「アヴィエーター」の"アート・ギャラリー"を見学した我々は、そこに展示された様々なインスピレーションに同社の未来を見た。これは誇張ではない。リンカーンの大型高級SUV「ナビゲーター」は飛ぶように売れているが、時代遅れになりつつあるフルサイズ・クロスオーバー「MKT」は、自らを刷新しようとしたリンカーンの試みによる悲しき名残となっている。同社は、小型SUV「MKC」とミッドサイズSUV「ノーチラス」(「MKX」の後継モデル)を補完する、現代的なパワートレインを装備した魅力的でスタイルの良い3列シートのSUVを必要としている。ご存じない人のために説明すると、MKCは次回のリフレッシュ時に名前が変更される可能性が高いので、"MK"ではじまるアルファベット3文字のお粗末なネーミングはついに終わりを迎えるだろう。


しかし、アヴィエーターが極めて重要なモデルである理由は新しいネーミングではない。1つは、同車が次世代のフォード「エクスプローラー」に、後輪駆動ベースの新プラットフォームを提供することがほぼ確実であるというもの。もう1つは、それがMKTのような不格好で長くてゴツい外観でなく、非常に大事な3列シートを備える伝統的な形状のクロスオーバーであることだ。だが、アヴィエーターには(我々が見たのは量産モデルではなかったがそれに近い試作車だった)スタイルと存在感がある。見た目は「レンジローバー・ヴェラール」に少なからず似ているものの、単なるコピーとは違う。室内は、大型SUVのナビゲーターが持つ大胆さやユニークさと、生粋の米国車らしさを見事に解釈したものとなっている。


エンジンの正確なスペックや寸法を含む多くの情報が現段階では不明だが、新型アヴィエーターについていくつかの判定を下すには十分足りる事実がある。まず、インテリアがナビゲーターのようなエレガントであること。「コンチネンタル」にも採用されている「パーフェクト・ポジション・シート」は柔らかなレザーで覆われており、アヴィエーターのインテリア・エクスペリエンスの中核となっている。美しいシートがセールスポイントになった時代は、いつが最後だっただろう? ボルボを除けば、どのメーカーも独創的で快適なシート作りにきちんと注意を向けていない。このシートはユニーク・セリング・プロポジション(他社製品とは違う独自性)があり、細部の仕上げも美しい。これは、ダッシュボードのデザインにも同じことが言えるだろう。控えめで洗練された、しっかりしているが重苦しくない、北欧の工業デザインによく見られるようなテイストが感じられる。


後輪駆動のプラットフォームに話を戻すと、パワートレインについての詳細はほとんど分からないが、ツインターボチャージャー付きの「EcoBoost(エコブースト)」エンジンに加えて、プラグイン・ハイブリッドのオプションが用意されるという。我々が知る限り、両バージョンとも同じエンジンを搭載し、これ以外のエンジンは設定されない。トランスミッションについても不明だが、自社の10速ATを採用すると考えて差し支えないだろう。リンカーンは後輪駆動と4輪駆動から選べることをほのめかしている。

車体の下部をのぞいてみたところ、この"プレビュー"車の独立懸架式リア・サスペンション(量産前の試作車だが、少なくとも部分的には機能するようだ)は、「マスタング」の現行モデルが採用しているサスペンションとほぼ同一に見えた。下の画像で、現行マスタングのリア・サスペンションを確認してもらいたい。



次に、アビエーターのスタビライザーの位置、ロワコントロールアームのデザイン、デフのクレードルを比較してみよう。フロア下の隙間から撮影した画像なので分かりづらいかもしれないが、まるでドッペルゲンガーのようにそっくりだ。



これがリア・サスペンションの最終的なデザインなのか、あるいはマスタングの部品箱からパーツを引っ張り出してきて便宜的に取り付けたのかは分からない。フォードはシャシーのスペックについても言及していないので、正確なことはお伝えできない。だが、前述の事実を踏まえると、アヴィエーターと次期型エクスプローラーが、マスタングのパーツとエンジニアリングを流用するという見解には信憑性があると思われる。アヴィエーターがマスタングをはるかに上回る重量になることは確実なので、量産仕様のコンポーネントはおそらくSUV用に強化されるだろう。


アヴィエーターのフロア下を覗いた後、我々はこのSUVに採用されたいくつかの技術について知ることができた。まず、オーナーはスマートフォンを使ってアヴィエーターのエンジンを始動させたりドアロックを解除したりできる。この機能は「Phone as a Key(キーとなる携帯電話)」と呼ばれている。他にもっとマシなネーミングはなかったのだろうかとは思うが、従来のようなキーフォブを、ドライバーは持ち歩く必要がない。もしスマートフォンが壊れたり電池切れになったらどうしようと心配な人は、オプションのキーパッドを装備すれば、暗証番号を打ち込むだけでロックを解除できる。「サスペンション・プレビュー・テクノロジー」は路面の状況を先読みしてダンパーの設定を調整する。他にも多くのアクティブ・セーフティ・システムと、インフォテインメント・システム「Sync」の最新バージョンが搭載される。

量産モデルのアヴィエーターは来年発売予定だ。この魅力的な試作車に見られる多くの特徴が、それほど変わることなく、量産モデルにも受け継がれることを期待したい。スペックや価格についての情報が発表されるのはまだしばらく先になるが、リンカーンはこのニューヨークで十分な注目を集めることに成功した。




By ALEX KIERSTEIN
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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