ポルシェ「911 GT3」にターボやハイブリッドがないのは顧客が望んでいないから?
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ポルシェのGT部門を率いるアンドレアス・プロイニンガー氏は、2012年型「ラム1500」 ロングボックスを所有しており、普段はオートバイを運ぶのに使っている。このクルマは彼の仕事場の駐車場にはそぐわないだろう。軽量でサーキット走行向けの新型ポルシェ「911 GT3RS」は大違いだ。だが、どちらのクルマも特定の目的のために作られたという点では共通している。

ポルシェはジュネーブで発表した911 GT3RSに続き、3週間後のニューヨーク国際オートショーでは「ヴァイザッハ・パッケージ」付きのGT3 RSを公開した。このパッケージは1万8,000ドル(日本では324万1,000円)もするオプションの軽量化プログラムで、ルーフやサスペンションなどのコンポーネントがカーボンファイバー製に交換される。最終的に全体がどれだけ減量できるかは、ドライバーがジムで汗を流す時間にもよるが、ポルシェはGT3 RSを購入する人の9割が、このパッケージ付きを選ぶと予測している(通なコレクターなら、あえてこのパッケージは注文せずに愛車の稀少性を高めようとするかもしれない。その分、余ったお金でもっと実用的なクルマをもう1台買うこともできる)。
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だが、金銭で判断してはいけない。これはポルシェがよりサーキット走行に最適化した最高のマシンが手に入るということに意味があるのだ。GT3 RSは道具であり、道具とは改良されたらそれだけさらに有用になるものだ。

ポルシェは顧客のニーズに耳を傾ける努力をしている。9割もの購入者が大金を払ってでもクルマを軽量化したいというのであれば、ポルシェはその要望に快く応えようとする。マニュアル・トランスミッション(MT)についても同じことが言える。顧客が「911 GT3」に3ペダルのセットアップを望んだので、ポルシェはそれに応えた。991.2型のGT3が発売されてからというもの、購入者の3分の2がマニュアルを希望しているという。

米国版Autoblogの記者は、プロイニンガー氏にGT3の今後、特に電動化と自然吸気エンジンの継続使用について訊いてみた。GT3はポルシェの現行ラインナップで唯一ターボチャージャーが装備されていないのだ。その4.0リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンは、520psという見事なパワーを発揮する(プロイニンガー氏によれば、これは猛暑の夏のデスバレーでの記録で、適度な気候の下であればもう少し出力が上がるという)。

「GT3」購入者の平均年齢は50代半ばで、かつての空冷式911を崇拝して育った年代だ。彼らは純粋で混じり気のないドライビングを求めている。つまりターボもハイブリッドシステムも付いていないクルマだ。プロイニンガー氏は、将来的にこれらが導入される可能性を排除してはいないが、顧客が要求するまでは現在の方針を変える理由はあまりないと言っている。今後もしばらくの間、GT3はダウンサイジングやハイブリッド化されることなく、改良を重ねながら存在し続けるというのがプロイニンガー氏の見解だ。彼がマイルド・ハイブリットを採用した2019年型ラム1500についてどう思うのか、気になるところだ。


By Reese Counts
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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