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キャデラックは、主力製品である「CTS」や「ATS」の改良に長い月日を費やし、何年か前のBMWを思わせるような実に素晴らしい印象のクルマに仕上げた。問題は、いくら素晴らしくてもセダンは売れないということだ。現在の売れ筋はクロスオーバーである。キャデラックの現行ラインアップでクロスオーバーは「XT5」(日本名:XT5クロスオーバー)のみだが、同車は米国のキャデラック・ディーラーが歯軋りしながら嘆き不平を言いたくなるようなクルマだ。だから彼らは躍起なって「エスカレード」を勧め、顧客の流出を防ごうとするしかなかった。そんな背景から新たに誕生したのが、XT5より小型だがスタイリッシュな「XT4」だ。


そのベースには、キャデラックによれば専用プラットフォームが使われているという。それは本当かもしれないが、技術的に見ればシボレー「エクイノックス」やGMC「テレーン」と部分的に関連があると考えられる。現在では1つのプラットフォームをグループ内の幅広い車種で共有することは珍しくないからだ。

XT4に用意されたパワートレインは、最高出力237hpと最大トルク350Nmを発生する2.0リッター直列4気筒直噴ターボ・エンジンのみ。米国内における最大のライバルで、2.0リッター「エコブースト」エンジンを搭載するリンカーン「MKC」よりもわずかに劣るだけだ。もちろん、MKCには2.3リッター・エンジンを搭載するモデルもあるが、それはまた別の話だ。ツインスクロール・ターボチャージャーと気筒休止機構を備えるこのエンジンには、9速オートマチック・トランスミッションが組み合わされる。ツインクラッチ方式のAWDシステムは、4輪駆動の必要がない状況では後輪に伝達する駆動力を完全に切り離すことが可能で、フリクションを低減し余分な燃料消費を抑えることができる。燃費については社内テストで高速道路30mpg(約12.8km/L)と推定されているが、米国環境保護庁による正式な数値はまだ発表されていない。


ドライビングに影響するような新技術もいくつか見られる。XT4にはキャデラックで初めて、従来の真空倍力式ブレーキングに代わり電動油圧式ブレーキが採用されており、これも燃費向上に貢献するという。「XT4 スポーツ」のアクティブ・スポーツ・サスペンションに備わるCDC(コンティニュアス・ダンピング・コントロール)は、電子センサーでリアルタイムに路面状態をモニターし、2ミリ秒ごとに減衰力を調節することができる。エアサスペンションや「MagneRide」(マグネティックライドコントロール)よりも軽量で安価であるため採用されたのだろう。CDCの有無に関わらず、サスペンションはフロントがストラット式でリアは5リンク式。様々なデザインの18インチ・ホイールを装着することができる。


トリム戦略もなかなか興味深い。ベース・モデルが「ラグジュアリー」で、「スポーツ」モデル(ブラックのエクステリアとユニークなホイールを採用)と「プレミアムラグジュアリー」モデル(輝くようなトリムとサテン仕上げのアクセントを採用)は、それぞれのモデルに合った装備や仕様が与えられ、顧客の多様な嗜好に対応する。インテリアはキャデラック名前に相応しく高級かつ上質で、実車に触れてみるまで多くを語ることはできないが、8インチ・タッチスクリーン、ワイヤレス充電、イオナイザー空気清浄機、第二世代のリア・カメラ・ミラーなど装備は充実している。


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ボディ・サイズは全長4,599mm × 全幅1,881mm × 全高1,627mm。一目見るだけで、XT5よりプロポーションが良く、スマートな印象を受ける。これは意外なことではない。コンパクト・クロスオーバーは概してミッドサイズの上位車種より美しいスタイルになるものだからだ。さらに少しだけ現代的なスタイリングによって、XT4はXT5よりフレッシュで、あえて言えば魅力的に感じられる。

XT4がキャデラックにとって非常に重要なクロスオーバーであることは間違いない。実際に乗るとどのように感じるのか、試乗できる日が今からとても楽しみだ。


By Alex Kierstein
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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