フォードが、古い自動車を簡単にコネクテッドカー化するデバイスSmartLinkを正式発売します。車のOBD-IIポートにドングル型のSmartLinkデバイスを挿入することで4G LTE接続と車内WiFi、さらに自動車のヘルスチェックやスマートフォン接続機能などを提供します。

OBD-IIポートとは、自動車の各種制御を司るコンピューター(ECU)の調整ように用いられる、いわばサービス用端子。しかし、近年はOBD-IIを自動車の機能拡張に用いるサードパーティが現れ、サムスンやT-Mobile、Verizonといった大手ITメーカーがOBD-II接続の4G通信ドングルを発売しています。一方で、外部コンピューターやセンサー類をOBD-II経由で接続し、自動車を積極的に制御することで自動運転機能を提供するベンチャーも登場しました。

SmartLinkが備える機能は前述の通信機能のほか、水温、速度、エンジン回転数といった自動車各部のセンサー情報やアラート情報、スマートフォンを使ったリモコンキー機能や車両ロケーション追跡、振動検知による盗難警告メール送信機能などなど。いずれも、なくても自動車の運転には支障ないものの、あればあったで便利な機能が提供されます。

またSmartLinkが接続するウェブポータルサービスが用意され、たとえばディーラーが顧客の自動車の状態を見て、故障を引き起こす前に点検の案内を出すといったことも可能となります。
もちろんこれは無料で使えるものではなく、2年縛りつき、月額17ドル(約1800円)というプランで提供されるとのこと。回線を提供するVerizonは1GBまでまたは30日間までの無料トライアル期間を用意するとのこと。

SmartLinkが使えるのは2010~2017年に発売されたフォード車。発売は米国で2018年中頃の予定です。

なお、フォードは2017年1月に一度このデバイスを発表したものの、その後これまで音沙汰なしの状態が続き、F-150オーナーが集う掲示板などでもその動きを訝る発言が散見されていました。しかし実際のところは、近年のフォード車が搭載する通信サービスFordPassに対応させるための仕様変更だった模様。これによって2010年以降のフォード車オーナーはSmartLinkを買って装着するだけで、最新の車と同じFordPassアプリから自動車を利用できるようになります。

OBD-IIデバイスがハッキングされれば、最悪はハンドル操作やブレーキを遠隔操作されてしまうといった危険性もゼロでは無いということは知っておく必要があるものの、フォードのコネクテッドカーおよびサービス部門を率いるDon Butler氏は「我々はセキュリティからパフォーマンスまで幅広いテストを実施し多数の改善を盛り込んだ」と語っています。

日本でも、いまやスマートフォンと連携する自動車は珍しくはなく、Bluetooth経由で音楽再生ぐらいは当たり前と言っていいほどになっています。しかし、古い車にはそれら機能が備わっていないことも多く、OBD-IIに挿すだけで簡単にコネクテッドカーになるSmartLinkのような市販デバイスが発売されれば、(価格にもよるものの)売れそうな気もします。


By Munenori Taniguchi

※この記事はEngadget日本版の許可を得て転載しました。