ヒトラーが使った1939年型メルセデス・ベンツ「770K」が、シアトル郊外の高級住宅地で目撃される
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昨年末、ナチスの行進に使われた悪名高き1939年型メルセデス・ベンツ「770K グロッサー オープンツアラー」がオークションに出品されるとお伝えしたのを覚えておられるだろうか。他ならぬアドルフ・ヒトラーが使用していた装甲板が装備されたクルマのことだ。

シアトル・タイムズ』紙によると、そのクルマが最近、ワシントン州マダイナの近くで目撃されたという。ビル・ゲイツやAmazonの創業者、ジェフ・ベゾスらが住むシアトル郊外の高級住宅地だ。そのナンバープレートには、1月のスコッツデール・オークションに出品された時と同じ、「1A 148 461」と記されていたそうだ。

地元メディア『Arizona Republic』によると、出品された770Kの入札額は700万ドルに達したものの、匿名の出品者が設定していた未公表の最低落札価格に満たなかったため、売却されなかったという。

マダイナに住むジェシー・サイツさんは、2人の男性がこの770Kと見られるクルマをトラックから降ろすのを見たとタイムズ紙に語った。彼らがそのクルマを始動させると、とても大きな音がしたという。彼女はこの時以外にも同じ場所で他のコレクターカーがトラックから降ろされるのを見たことがあるそうだ。そしてこの時、トラックは後方にもう1台、カバーが掛けられたクルマを積んでいたという。

オークションを開催したWorldwide Auctioneersの責任者の1人であるロッド・イーガン氏は、同紙の取材に対し、1月17日のオークションのすぐ後に取引があったことを明かしたが、購入者の名前や売却価格については機密保持契約を締結しているため開示することは出来ないとしている。同氏は「売却された先は米国内ではありません。非常に遠い所からの落札でした」と述べた。おそらく、その2人の男性はトラックに積まれた2台目のクルマを降ろすため、770Kを一旦路上に降ろしたと思われる。

230hpを発揮する7.7リッター直列8気筒スーパーチャージド・エンジンを搭載したこの770Kは、メルセデスによって製造された、たった88台のうちの1台だ。伝えられるところによると、現存するのは5台で、そのうち3台(ヒトラーの1台を含む)は個人オーナーに所有されているという。ヒトラーの770Kは、落札価格の10%をホロコーストについての教育を行うSimon Wiesenthal Centerへ寄付する予定だった。

このクルマはヒトラーの親衛隊員で運転手だったエーリヒ・ケンプカが注文したもので、来訪した各国の要人を乗せたり、1939年から1941年に行われたナチスの大行進の際にも使用された。特異で恐ろしい時代に使用された同車には、車体側面と下部に装甲板が装着され、フロントウィンドウには防弾ガラスが使用されている。今後、このクルマがまたいつ人前に出現するのか、誰にも分からない。


By Sven Gustafson
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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