日産自動車が、2018~2019年に開催のフォーミュラE第5シーズンに参戦するマシンを発表しました。マシンそのものはフォーミュラEの新型車そのものですが、そのリバリー(カラーリング)はマシンを「音速を超える速度で飛ぶ鳥」に見立て、超音速機によるドップラー効果をデザインに取り入れたとしています。

日産でグローバルデザイン部門上級副社長を努めるアルフォンソ・アルバイサ氏は「爆発的な速度で走っているときも、基本的にフォーミュラEは(超音波のような独特の音はあるものの)静かです。そこで、リバリーでドップラー効果のような音波を表現したデザインを採用しようと考えました」とそのカラースキームについて説明しました。



日産のモータースポーツ活動といえば、数年前までは国際的なトップカテゴリーとしてル・マン24時間耐久レースへの参戦が思い出されるところ。しかしその参戦マシンはといえば、三角翼型マシンのデルタウィングや、デルタウィング設計者のベン・ボウルビーを引き抜いて作らせたZEOD RC、さらにGT-Rの名を冠したのになぜかFFマシンのGT-R LM NISMOと、いずれもレーシングカー設計のセオリーをガン無視したド変態マシンばかり。

年に1度しかないレースのためにいちからマシンを開発していては、それを熟成する機会がほとんどありません。加えてノウハウの蓄積もない特異形状のマシンでは、結果は言わずもがな。他社製マシンのデルタウィングこそある程度は走れたものの、残りの2台はまともにラップを重ねることすら困難な有様で、いずれもル・マンくんだりまで赴いて変態っぷりを晒すだけの羞恥プレイマシンだったと言わざるを得ません。

一方、日産が新たな活動の場に選んだフォーミュラEは、幸いなことにワンメイクシャシーを使用しており、ファンもようやく日産がまともなマシンに戻って来ると喜んだはず。ところが、写真をご覧になってわかる通り、第5シーズンから使用されるフォーミュラEマシンはこれまたフォーミュラカーの常識から大きくかけ離れた、やっぱり変態マシン。参戦を決めた途端にマシンのほうが変態してしまうあたり、もはや変態マシンと日産は赤い糸かなにかで結ばれている運命なのかも知れません。
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真面目な話をすれば、現在参戦中のルノーに代わって参戦する日産は、参戦初年度ながらその新世代フォーミュラEに独自開発のパワートレインを持ち込みます。この部分には当然日産の市販EV「リーフ」で培った経験が活用されるはず。また新型フォーミュラEマシンはバッテリー容量の増大で、"乗り換え"なしで1レースを走りきれるようになります。したがってフォーミュラEレースの勝敗は「いかにバッテリーのエネルギーを効率よく使い切るか」が問われることになるでしょう。

日産はすでに新型リーフの開発でバッテリーから出力と航続距離を引き出すための開発を経験済み。このノウハウも、もしかするとフォーミュラEでのアドバンテージになるかもしれません。




By Munenori Taniguchi

※この記事はEngadget日本版から許可を得て転載しました。