クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏に独占インタビュー! タイヤ、最高速度記録、腕時計業界について語る
ケーニグセグの創業者、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏は、いつも自信に満ちている。22歳の若さで同社を設立し、スピードとパワーで市販車トップ・クラスのクルマを次々と世に送り出してきた。彼はまた、カムシャフトをなくし空気圧と電子制御でバルブを開閉する「フリーバルブ」エンジンの開発も手掛けている。ケーニグセグ「レゲーラ」は、5.0リッターV8ツインターボ・エンジンと3基の電気モーターを搭載するハイブリッド・スーパーカーで、従来のトランスミッションを廃止し「ケーニグセグ・ダイレクト・ドライブ(KDD)」システムを採用している。昨年11月には「アゲーラRS」が既製品のタイヤを装着して市販車の史上最高速度記録を達成ブガッティなど目じゃないと言わんばかりだ。米国Autoblog編集部は、北米国際オートショーの会場でケーニグセグ氏に色々と訊く機会を得た。

ケーニグセグ氏によると、このアゲーラRSの最高速度は公道で記録されたもので、その理由は「スペースシャトルの着陸用滑走路でも距離が足りなかった」からだという。何マイルか足りなかったのだろう。結果的に、11マイル(約17.7km)に及ぶ舗装道路で、このクルマは最高速度記録を樹立している。この時に使用されたタイヤは記録達成のために特別に作られたものではなく、一般に市販されているミシュラン製「パイロット・スポーツ・カップ2」が採用されたのだ。



今年の北米国際オートショーでは、ミシュランのブースにアゲーラRSが展示され、記録達成に関する両者の誇らしげな思いを伝えていた。展示車両に装着されていたのは、ネバダ州の州道160号線で最高速度277.87mph(444.6km/h)を達成した時に使用した、まさにそのタイヤである。実際、記録挑戦の際にはこのタイヤ1セットしか使われなかった。予備のセットも用意されていたのだが、トレッドや温度が安全圏内であったため、結局1セットしか使わなかったのだという。展示されたタイヤをよく見てみると、酷使されたのは一目瞭然だが、それでも十分なトレッドは残っているのがわかる。

北米国際オートショーでクリスチャン・フォン・ケーニグセグにインタビュー! タイヤ、最高速度記録、腕時計について語る

タイヤについて語っている時、ケーニグ氏は展示車両の軽量カーボンファイバー製ホイールが、顧客に納品する車両のように美しい光沢のコーティングが施されていないことを恥じているようで、このクルマは完全に仕上げられた一般の製品とは異なることを強調していた。そんなところに、彼の完璧主義的な一面が垣間見えるが、それこそケーニグセグのクルマが高い性能と評判を獲得した所以なのだ。

ケーニグセグ氏がタイヤよりも話題にしたがったのはサスペンションで、特にロングアーム・ウッシュボーンについてだった。今回、アゲーラRSが277mph(これは同じコースの往復の平均値で、復路では284.55 mph、つまり457.94 km/hを出している)を公道走行用タイヤで出せた最大の要因は、その車両重量の軽さにあった。(アゲーラRSの1,395kgに対してブガッティシロン」は1,995kg)。ケーニグセグ氏によると、タイヤは少しだけ左右にぶれるので、どうしてもタイヤのトレッド面が擦られ、溝が削られてしまう。だからサスペンション・ジオメトリーを調整して、高速走行時にもタイヤをしっかりと真っ直ぐに固定し、走行する度のタイヤの溝が磨耗するのを低減させたという。

ケーニグセグ氏の話を聞いていると、彼の熱い気持ちが伝わって来る。スウェーデンの自社工場から送り出されるクルマは、彼の情熱であり誇りなのだ。生産台数が少ないのは、個々のクルマのデザインから製作まで、一定水準を保てるからである。単に超弩級のパワーが出せるクルマというだけでは不十分なのだ。快適な居住性と操縦性を備え、世界各国の安全基準と排ガス規制を満たさなければならない。過酷な衝突試験に使われるレゲーラのビデオをご覧いただきたい。アゲーラRSはランボルギーニ「ガヤルド」に3つのターボを取り付けてパワーアップしただけのようなクルマではない。高品質でバランスに優れた工業製品なのだ。

自動車業界の将来についてケーニグセグ氏に聞くと、今後も自社のクルマには市場があると、彼は驚くほど強く確信している様子だった。「腕時計業界を例に話しましょう。1970年代にデジタル腕時計が登場すると、機械式腕時計はほとんど絶滅に近い状態になりました。しかし、現在にも機械式腕時計を作るメーカーは残っていますよね」。つまり、マーケットは移り変わるが、高級な製品を求める顧客層は常に存在するということを言っているのだ。「自分でゼンマイを巻く方がやっぱり好きという人はいますから」という氏の言葉に、我々も同じ気持ちを覚えた。


By REESE COUNTS
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

■関連ギャラリー
Related Gallery:Koenigsegg Agera RS: Geneva 2015

Related Gallery:Koenigsegg Regera: Geneva 2017

Related Gallery:Koenigsegg Agera RS1: New York 2017


■関連記事
【ビデオ】ケーニグセグ「アゲーラRS」が閉鎖した高速道路で最高速度記録に挑戦、447.2km/hを記録!

【ビデオ】ケーニグセグ、80台限定生産のハイパーカー「レゲーラ」による激しい衝突試験の映像を公開!

【ビデオ】「いつも毎日の挑戦をしたい」ケーニグセグ創業者へインタビュー!絶句するほどのスピード感を味わえるCCXRも体験!!

■関連動画