今日のクルマはいずれも高い品質レベルに達し、これまで以上に乗員を保護する安全対策やテクノロジーを備え、消費者の高い要望に応えている。しかし、全米保険犯罪局(NICB)がこのほど発表した調査によると、そのために販売価格が高騰し、修理費用がかさむ要因となり、ひいてはパーツの闇取引を助長する車両盗難が増えているというのだ。

非営利団体のNICBは、2016年モデルの中で盗難件数の高いクルマ上位10車種の交換部品のコストを調査し、2016~17年の2年間で保険金請求があった2,400万件を超える車両物損査定から純正部品の平均価格を算出。この「部品」には、エンジンやトランスミッションなどの主要なコンポーネントは含まれておらず、バンパー、ドア、ボンネットやヘッドライトなど容易に取り外せるものだけが対象となっている。

調査結果によると:

・中古車価格が約1万5,000ドル(約160万円)の2016年型トヨタ「カムリ」は、よく交換される部品15点の合計が1万1,000ドル(約118万円)近くにのぼる(工賃含まず)。クォーター・パネルだけでも左右で1,600ドル(約17万円)近くになり、ホイールは1組で1,600ドル(約17万円)を超える。カムリは2016年に1,113台が盗難に遭い、盗難車ワースト1となった。

・2016年型日産「アルティマ」は中古車価格が約2万ドル(215万円)だが、よく交換される部品14点の合計で1万4,000ドル(約150万円)を超える。この中には片側だけで1,000ドル(約11万円)以上するヘッドライト・アセンブリーが含まれている。アルティマは2016年の盗難件数が1,063件で、ワースト2位であった。

・2016年型GMC「シエラ」ピックアップ・トラックは中古車価格約2万8,000ドル(約300万円)で、スタンダードな部品20点の合計が2万1,000ドル(約225万円)。ヘッドライト・アセンブリー1個、リア・バンパーがそれぞれ1,100ドル(約12万円)もする。2016年の盗難車ワースト7位だ。

さらにエンジンやトランスミッションには高値がつく。車両番号や登録証で管理されるクルマ自体よりも、パーツをバラして売ればいかに効率よく儲かるか、想像できるだろう。

「窃盗のプロにとって、盗んだクルマのパーツを取り外して売るのは、常に儲かるビジネスなのです」と、NICBの上級副局長兼最高執行責任者であるジム・シュヴァイツァー氏は語る。「今日のクルマやトラックでは、時として無傷の車両よりもパーツの方が価値が高くなり、運んだり売ったりするのも簡単です。ホイールやタイヤ、テールゲートなどの主要パーツの盗難が相次いでいるのはこのためで、盗難パーツには常に買い手がつくのです」と述べている。NICBの調査結果をまとめた画像をご覧いただきたい。



FBIの予備データによると、全米で自動車の盗難は2017年に前年度比4%増えており、これは2016年に前年度比7.6%増加した上での数値である。ただし、NICBは盗難件数自体は1991年をピークに減少傾向にあるとしている。



By Sven Gustafson
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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