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11月19日(日)にお台場特設会場にて開催された『旧車天国』。1985年以前の貴重なクルマたちが勢揃いする『天国エリア』と、86年以降のマニアックすぎる車両が集まる『地獄エリア』に並んだクルマも『マニアック天国』に負けないほどの個性揃いだった。最終回となる今回はそんな一般参加者の愛車の中から筆者の目に止まったクルマを紹介して行く。


●日産フェアレディZ432

まるで新車のようなコンディションの日産フェアレディZ432。心臓部にスカイラインGT-Rと同じく、S20型直6DOHCユニットを搭載したマシンで、生産台数はわずか419台に留まる。ハコスカに比べて車重は100kgほど軽く、最小回転半径も0.5mほど小さいZ432は高いポテンシャルを秘めていたものの、日産とプリンスの技術陣の確執、それに伴う車両の熟成不足といった理由により、サーキットではスカイラインのような活躍を見せることはなかった。



●MG MGB

1955年のル・マン24時間レースに出場したMGA風のモディファイを施されたMGB。元ネタはおそらく西風先生の漫画『CROSS ROADS』4巻♯105「April Fool」に登場する車両だろう。


フロントシールドを取り払ってレーシングシールドを装着。前後バンパーを外し、アルミ製のトノカバーで助手席を覆ったレーシーな仕様だ。



●マツダB360(前期型)

1951年にマツダが発売した軽トラック。エンジンはR360クーペやK360と同じく空冷VツインOHVを搭載する(後期型はキャロルに搭載されたアルミ合金製の水冷直4OHVに換装)。オート三輪のK360の後継として開発されたが、B360の発売後もK360の人気が落ちなかったことから両車は併売されている。なお、同車はミャンマーで現地生産も行われ、民主化によって日本の中古車が大量に流入する2000年代まで街角でよく見かけられた。



●日産(プリンス)マイラー

1957年にプリンス自動車の前身となった富士精密工業から発売されたプリンストラックの後継車種。展示車両はプリンスが日産に吸収合併後にMCを受けたT440型と呼ばれる後期型で、フロントサスペンションがダブルウィッシュボーン式の独立懸架となり、小型トラックとしては国産車初となる5MTを採用するなど、当時の乗用車と比べても引けを取らない革新的なピックアップトラックだった。国内では現存数わずか2台と言われる大変な稀少車で、エンジンは初代シルビアのものに換装されていた。


●スバル ff-1

1966年に発売されたスバル1000のマイナーチェンジ版。同車は水平対向4気筒を初めて搭載したスバル車で、当時国内では珍しかったFWDレイアウトと4輪独立懸架を採用。コンパクトな車体ながら理想的なパッケージングによってワンクラス上の車内空間を確保した意欲的な小型車だった。

スバル1000の登場から10年後に登場したアルファスッドの設計に多大な影響を与えたとの説がある(この説を最初に唱えたのは自動車評論家の故・徳大寺有恒氏)。真相は不明だが、筆者が当時のアルファ ロメオ正規ディーラーだった日英自動車の元スタッフに聞き出したところ、アルファ ロメオ本社の要請で数台のスバル1000を評価試験用にイタリアへ輸出したとのこと。スッドを開発したルドルフ・ルスカは生前のインタビューで影響を否定しているが、類似のレイアウトを採る小型車としてスバル1000の存在を認知していたことはたしかなようだ。



●トヨタ カローラレビン(TE51/2代目後期)

新車のように美しいコンディションを保ったTE51型カローラレビン。1977年に現オーナーの父親が新車で買ったクルマを引き継いだ2オーナー車とのこと。

現オーナーの目下の悩みは現在小学生の息子がこのクルマを嫌っていることだそうで、親子三代に渡ってカローラレビンが維持されるかは黄色信号が灯っている。この息子をどうやって洗脳...もとい説得するかが問題だ。集団学習会での自己批判、巧妙な賞罰、罪悪感の刷込みなど毛沢東が実施した「思想改造政策」の手法が有効かもしれない。



●ホンダ シティR マンハッタンルーフ

80年代を一世風靡した初代シティの中のバリエーションで、車高を100mm上げたハイルーフ仕様。Hi-Fiサウンドシステムとリアルーフ部に折畳み式のスピーカーボックスを内蔵した「マンハッタンHi-Fi」も存在した。現在ではなかなかお目にかかれないモデルだ。



●デ・トマソ マングスタ

1966年にデ・トマソ社がフォードと共同開発したミッドシップ2座席スポーツカー。スタイリングはカロッツェリア・ギア時代のジョルジェット・ジウジアーロが担当した。心臓部にはフォード製4.7L V8OHVを搭載し、ギアボックスはZF製5速を組み合わせた。最高速度は250km/hと公表されている。

クラシックカー・ミーティングではパンテーラはよく見かけるが、生産台数が200台に満たないマングスタは珍しい。



●ロータス セブン シリーズ4

ロータス セブンの最後期生産型で、70年代のバギーブームによって生まれた角張ったスタイリングのFRPボディが架装されている。のちに生産権と生産治具はロータス正規ディーラーだったケータハム社に渡り、当初はシリーズ4を継続生産していたが、やがて製造が容易なアルミボディのシリーズ3に切り替えられた。

アニメ『あしたのジョー2』で白木葉子が愛用していたのはこのクルマだ。



●フォード パネルトラック(1936年型)

米本国でも100台くらいしか現存していない1936年型フォード パネルトラック。オーナーはフォードF-100オーナーズクラブ「What's Pumpkin 」の代表を務める三好さん。
エクステリアは美しくレストアされ、GMパフォーマンス製ZZ4エンジンへの換装、ローダウンなどのカスタムが施されている。インテリアはオーナー自ら手掛けたウッド仕様になっており、クラブの想い出の品々がディスプレイされている。


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