F1日本グランプリ 2017 子連れ観戦レポート。意外と安いチケット、セッション合間はカートでレースデビュー
今年もF1が鈴鹿にやってきました。他の国のレースならいざしらず、日本GPウィークはどこかムズムズしてしまうのがモータースポーツファンというものです。そして子どもの頃にかつてのF1ブームを体験した世代なら、すでに家庭を築き上げて小学校高学年~高校生ほどになるお子さんがいる人も多いはず。もしも男の子なら(もちろん女の子でも)、F1観戦デビューをさせるにはちょうどよい時期かもしれません。

かくいう筆者も小学4年生の息子がいて、毎年日程がバッティングしていた運動会が珍しくずれたこともあり、今年初めて親子でF1観戦に出かけることを決めました。

木曜から各種イベントが催されているF1日本GPですが、我々がサーキットに向かったのは学校が休みになる土曜の朝。まずはチケットを入手したA1席の見晴らしをチェックしてみると、スタート/フィニッシュラインからピット出口が右前方に、正面にはサーキットビジョンさらに1~2コーナーまでがなんとか見えるなかなかの好位置でした。しかもスタンドの席幅は従来の1.2倍に拡大されており、ここ数年で横方向の成長期を迎えたお父さんお母さんでもまわりを気づかわずに済むのは、心理的なポイントが高いです。



それはさておき、サーキットに到着した息子の希望はまずF1ドライバーを見たいということでした。そこで早速各チームのトークショーが予定されているGPスクエアのイベントステージに向かいます。どうやら息子は、クラスメートに今年のインディ500マイルレースで優勝した佐藤琢磨選手の写真をリクエストされていた様子でした。
Related Gallery:2017年F1日本グランプリ:個性的ファン編




A1席からGPスクエアへ向かう途中には、関係者専用の入退場通路があります。はからずもここでカルロス・サインツJr選手が通りかかり、入り待ちのファンたちから大きな声援があがりました。この通路では、決勝日の朝にはおじいちゃん世代感涙のレジェンド、ニキ・ラウダ氏も目撃できました。



ようやくたどり着いたステージでは、ウィリアムズFW11のデモランを担当する1996年F1チャンピオンのデイモン・ヒル氏がトークショーの最中。「お父さんはこの人がこの鈴鹿で勝ってチャンピオンになったレースを生で見たんだよ」などとと自慢しつつ、このステージ横にあるホンダの展示を順に見学へ。

息子はそのままマクラーレン・ホンダのマシン搭乗体験にも誘われ、コクピットに収まってご満悦の様子。係員の方の説明では、このマシンはショーカーではなく実際に2016年シーズンを戦ったマシンとのこと(カラーリングは2017年仕様)。ステアリングにはLCDディスプレイや各種操作ボタンがぎっしりとレイアウトされていました。本物のF1マシンに搭乗するという、子供にとって特別な体験ができるのも、現地観戦ならではの良いところです。



ステージではフォース・インディア、続いてウィリアムズのドライバーのトークショーに続いて、ようやく佐藤琢磨選手が登場。予選日ということもあったのかトークの内容はF1よりもほぼインディ500に関することで、ぶっちゃけすでに各種媒体で何度も見聞きした話ではあったものの、その偉業はモータースポーツファンなら何度でも聞きたいに違いありません。しかもMCの方のトーク回しが軽妙で、琢磨選手を「殿!」と呼び、さらにギャラリーから"殿コール"を引き出すほど。さすが、パンツの派手さは伊達ではないと感心させられました。



つづいてはスタンドに移動し、息子初のF1セッションとなるFP3を観戦。応援すると言っていたフェラーリのキミ・ライコネン選手がクラッシュしてしまいがっかりでしたが、そのスピードと音を体感して、F1とはこういうものかと感じ取っていた様子。

FP3から予選までのインターバルは約2時間。この間に息子は最終コーナー付近にある遊園地アトラクション「コチラレーシングカート」への挑戦を希望。ここではモートピアパスポートとしても使えるF1チケットを有効活用です。小学3年生から乗れる安全な「コチラレーシングカート」は最高速度が25km/hに制限されるため、まったくの初心者でも安心して体験させられます。

おっかなびっくりのカート初挑戦を終えて帰ってきた息子、かなり慎重に走行していた様子でしたが、手にしたタイムシートを見せて「3位だ!」と大喜び。「息子よ、それは3位じゃない。最低ランクの3rdライセンスって意味だ」と思いつつも「そうか!よくやったな!」と褒める筆者。「初めてで3rdなら次は2ndとれるな!」とその気にさせておきました。



土曜のメインイベント、予選。息子にQ1~Q3のルールを簡単に説明しつつ、アタックの解説をしながら観戦。初めての予選はテレビ観戦もほとんど経験のない小学生には難しいようだったものの、バルテリ・ボッタス選手のコースオフや相次ぐコースレコードの更新で客席の興奮が伝わったのか、なかなか面白かったとの感想。
 

予選後は子連れ観戦のファミリーを対象に用意されたイベント「キッズピットウォーク」に向かいます。たった30分の予定時間にもかかわらず、順番待ちの行列はピットロードから地下道を抜けて最終コーナースタンド方面まで伸びる状況。

ようやくピットに到着した頃にはすでにピットロードは黒山の人だかりで、子どもそっちのけで写真を取りまくる親御さんたちでごったがえす状態です。もちろん子どもたちもちゃんと楽しんでいる様子で、予選後の車検作業を見学したり、通りかかった各チームのスタッフと記念撮影を楽しんでいます。
Related Gallery:2017年F1日本グランプリ:マシン・サーキット風景編




その後は前夜祭を見てサーキットを出るつもりだったものの、息子の希望で最後のイベント、ナイトピット/ストレートウォークにも参加することに。ホームストレート脇でタイヤカスや何やらマシンの破片のようなものを見つけたりしつつ、ポールポジションのグリッドから最終コーナーまでゆっくり歩いてから、すっかり涼しくなった夜のサーキットをあとにすることができました。
 

一夜明けて迎えた2017年F1日本グランプリ決勝日。土曜とはうって変わり見事なレース日よりとなった鈴鹿は、日差しも暑くサーキットまで歩くだけでじっとりと汗ばむ陽気です。しかし子どもは元気なもので、朝イチから再びコチラレーシングカートにチャレンジ。この日はサポートレースのS-FJとポルシェカップがあったものの、これらの観戦はこの時点でキャンセルに。F1のスタート進行が始まる午後12時まで、がっつりとレーシングカート三昧。
結局、息子は1stライセンスの基準タイムにあと0.08秒まで迫ったものの、残念ながらそこでタイムアップでした。



決勝レースは前半、フェラーリのキミ・ライコネン選手が追い上げを仕掛けたことで、目の前で何度もオーバーテイクシーンを披露、ほかにもハース勢とフェリペ・マッサ選手のドッグファイトがあったり、終盤にはマックス・フェルスタッペン選手がトップのルイス・ハミルトン選手に接近するなど、現地で見ていても十分に楽しめるレース展開でした。息子も2日間全体に渡って楽しめたようで、今回の親子観戦の試みは充分に成功だったと言えそうです。
Related Gallery:2017年F1日本グランプリ:ゆるキャラ&地元物産編


ちなみに、今回チケットを購入したA1席は当初、小・中学生の料金が6000円に設定されていました。しかしチケット販売期間中に最終コーナー寄りのR席とともに3000円へと値下げされ、結果的に併設の遊園地「モートピア」の子どもパスポート料金3300円よりも割安でF1とモートピア両方が楽しめるという逆転現象が起きていました。

来年、2018年は鈴鹿での30回目のF1グランプリ開催となるため、今年のようなチケット価格になるかはわかりません。とはいえ、わが子にモータースポーツを見せたい、体験させたいと思う親として考えると、その最高峰であるF1グランプリを最初に持ってくるのは、悪いアイデアではないはずです。



■関連記事
・写真で見るF1日本GP 2017:「推しメンはバルテリです」個性的ファン&ゆるキャラ・地元物産編
・写真で見るF1日本GP 2017:「マクラーレンのシート空いてます」マシン・サーキット風景編