トヨタは、第44回国際福祉機器展H.C.R2017に、この秋に発売を開始する「JPNタクシー」を出展した。今回出品されたモデルは、LPGを燃料とするハイブリッド仕様であった。

フロントでは、フェンダーミラーが目を引く。タクシーでフェンダーミラーが多いのはドアミラーよりも前の位置にミラーがあるので、車線変更時の死角が少ない点と、助手席に乗客を乗せている場合、車線変更の度にミラーを見る際、乗客を見てしまうということがないからだ。

最新型のタクシーなのでカメラタイプという点も期待したかったが、コストとの兼ね合いもあったのだろうか。ただし、フェンダーミラーがあるとフェンダーの位置が分かり車幅感覚をつかみやすい利点もある。
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運転席側は、通常のヒンジドアタイプ。ずんぐりむっくりしているのでカッコいいとは言い難い部分はあるが、天井が高いので乗降性は非常に良さそうだ。

リアのガラスははめ殺しになっており開けることが出来ない。安全面では良さそうだが、降りる前に少し窓を開けて外の気温を確認したり、好みで換気するために窓を開けたりすることはできなくなりそうだ。


福祉機器展に出展されている理由が、このユニバーサルデザインが盛り込まれたパッケージングだ。

このスロープはオプションではなく、標準装備ということなので、JPNタクシーを使えば、車イスの人でも安心して乗車することが出来る。


車イスを乗せるとこのような感じになる。

後席のシート座面が跳ね上がってフラットなフロアがあらわれ、その部分に車イスをスムーズに載せることが出来る。高齢化社会もそうだが、パラリンピックが開催されると車イスで来日される方も増えると思われる。その場合このような構造は重宝しそうだ。


トランクスペースもこれまでのクラウンタクシーと比べると非常に大きくなっており、また開口部も広く、海外旅行用の大きなトランクなども載せやすくなっている。

あえて弱点を言うと、これまで寒冷地ではトランクを開けても室内の温かい空気が逃げることがなかったが、こちらは開口部が大きいため、中まですぐに換気されてしまうだろう。ただしJPNタクシーは天井部に後席用のエアコン吹き出し口が設けられているので、これまでよりも空調の効きは期待できそうだ。


運転席も以前のJPNタクシーコンセプトと比べて現実的なデザインにまとめられている。右下に空調のコントロールスイッチが装備されており、センターに料金メーターなどを設定したいタクシー仕様ならではの配置となっている。

またハザードスイッチがステアリング右に設けられており、より手が届きやすいように工夫されている。昔のクルマはハンドルポストにハザードスイッチが装備されていたが、現行のクルマの大半はダッシュボード中央に設置されている。

使ったことのない筆者のイメージとしては、ステアリングを切った状態では押しにくそうなイメージだが、もしこの位置が最も使いやすいということであれば今後通常モデルもハンドルにハザードスイッチが設置されるかもしれない。


運転席の背もたれの裏側(後席の前)には2.1AのUSB電源が用意されている。スマホ等の充電ができるので便利だが、充電するためのケーブルは自分の機器にあったものをあらかじめ準備する必要がありそうだ。


後席前の天井部には、ルームランプのスイッチ、エアコンファンの風量、そしてシートヒーターのスイッチが用意されている。

グレードによって装備は変わると思われるが、これまでのただ乗って移動するだけというタクシーからより快適に、便利に使えるタクシーと進化している。

ちなみに、JPNタクシーは一般の人も買うことが出来るということなので、このようなパッケージングのクルマが欲しい人は検討してみるのも良いかもしれない。なおこちらの使用はLPG仕様なので通常のガソリンスタンドは使えない点は注意が必要だ。

トヨタ 公式サイト
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