
4輪駆動車のサスペンションにコアラがしがみ付いたままの状態で、ドライバーは気付かずにクルマを発進させてしまい、16kmほど走って停止したところ、恐怖に怯えるような動物の鳴き声が聞こえ、コアラは無事に助け出されるという出来事がオーストラリアで起こった。
このメスのコアラは、南オーストラリア州の州都アデレード近郊の丘に駐車していたクルマのホイールの奥に潜り込んでしまった。
野生動物のレスキュー隊員がコアラを救助するのを支援するため、ついに消防隊まで駆け付けてホイールを外す事態に発展した。
コアラを助けたファウナ・レスキューの女性、ジェーン・ブリスター氏は、「焦げた毛皮の臭いがしました」とロイターの電話インタビューで語っている。「あの中(ホイールの奥)は、きっと暑かったはず」

ブリスター氏によれば、コアラに怪我はなかったが、このコアラが授乳期の母コアラである事が判明。残念なことに赤ちゃんコアラは見当たらなかったという。
「夜から次の日にかけて探したが、見つかりませんでした」とブリスター氏は言う。
ブリスター氏は、コアラを数日間飼育した後、野生に返したという。
コアラは、クマの仲間と間違えられがちだが、有袋類の一種の哺乳類で、腹部にある袋の中で子どもを育てる特徴がある。
コアラは、2012年のオーストラリアの保護法では、自然界に10万頭以下しか生息していない"危急種(VULNERABLE)に指定されている。オーストラリア・コアラ基金の予想では、4万3,000頭しかいないとされている。
※この記事は『Reuters』に掲載されたAlison Bevege記者の記事を転載したもの。
By REUTERS
翻訳:日本映像翻訳アカデミー