アルファ ロメオの新型「ジュリア」、ついに日本上陸!(後編) 自他共に認めるアルフィスタが発表会場からリポート
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9月6日、東京・東品川でアルファ ロメオのフラッグシップサルーンとなる新型ジュリアの発表会が行われた。67年型アルファ ロメオ 1300GTジュニア(初代ジュリア)を所有する自他ともに認めるアルフィスタである筆者が新型ジュリアの発表会をリポートする。

<前編からの続き>

すべては走りのために
先端技術を惜しみなく注ぎ込む


アルファ ロメオの開発陣は、新型ジュリアの開発に当たってジョルジョ・プロジェクトと呼ばれる新開発のプラットフォームを採用した。カーボンやアルミなどの軽量素材を多用することで50:50の理想的な前後重量配分を実現。さらに整流効果を高めるボディ底面のフラッシュサーフェイス化や、ブレーキフィールの向上と軽量化を両立させた統合型ブレーキシステム(IBS)、アルミ製ALFA LINKサスペンションを全車に標準装備し、意のままに操れるドライブフィーリングを実現している。



日本に導入される新型ジュリアはエントリーグレードの「ジュリア」(受注生産)、トリムレベルを引き上げた上で装備を充実させたラグジュアリーグレードの「ジュリア スーパー」、スポーティグレードの「ジュリア ヴェローチェ」、トップグレードの「ジュリア クアドリフォリオ」 の4グレード構成になる。

搭載されるパワーユニットはクアドリフォリオを除いて2L直列4気筒インタークーラー付きツインスクロールターボとなる。最高出力はジュリアとジュリア スーパーが200ps、シリーズ唯一の左ハンドル・4輪駆動モデルとなるジュリア ヴェローチェは同排気量ながら280psを叩き出す高性能ユニットが与えられている。なお、トランスミッションは全車8ATが組み合わされている。


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圧倒的なパフォーマンス!
フェラーリチューンのクアドリフォリオ


シリーズの頂点に君臨する「ジュリア クアドリフォリオ」は、フェラーリがチューニングを施した2.9L V型6気筒ツインターボエンジンを心臓部に持ち、最高出力510ps、0-100km/h加速3.9秒、最高速度307km/hという驚異的なパフォーマンスを発揮する。

このモデルにはアクティブエアロスプリッターやトルクベクタリング、前後異サイズの19インチワイドタイヤ、大型化されたブレーキシステムなどの専用の空力・足回り装備に加えて、カーボンエンジンフードやカーボンルーフパネルなどの採用により、ボディの軽量化が図られている。

そのパフォーマンスは驚異的で、パワーウェイトレシオは3.35kg/psとなるが、これはライバルと目されるBMW M3の3.81kg/psを上回る数字だ。16年に行われた独ニュルブルクリンク北コースで行われたタイムアタックでは、クアドリフォリオは7分23秒の記録を叩き出して当時の4ドアセダン最速記録を達成した。




ドイツ製ライバルたちは
新型ジュリアの敵ではない?


新型ジュリアの販売価格は「ジュリア」が446万円(受注生産)、「ジュリア スーパー」が543万円、「ジュリア ヴェローチェ」が597万円、「ジュリア クアドリフォリオ」が1,132万円と発表された。

価格は同クラスのドイツ車よりも少々低めに設定され、性能面ではBMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスを寄せ付けない。とくにトップグレードのクアドリフォリオは、このクラスのベンチマークであるBMW M3よりも50万円近く安く、スペック上はこれを圧倒している。もちろん、実際にステアリングを握ってみないことには優劣は下せないが、そこはスポーツサルーン作りに長い伝統と実績を持つアルファロメオのこと。期待を裏切られることはないだろう。だとすると、日本の輸入車市場でわが世の春を謳歌していたドイツ勢にとってジュリアは強敵となり、今後は厳しい戦いを余儀なくされるはずだ。多少の贔屓目を覚悟で言い切ってしまえば、新型ジュリアの前では同クラスのメルセデス・ベンツやBMW、アウディは敵ではないと言うことだ。



左ハンドルの拡充と
MTモデルの追加を望みたい!


ただ、新型ジュリアで少々残念だったのは、左ハンドルモデルの設定が少なく、MTの設定がなかったことだ。

アルファ ロメオは伝統的に右ハンドルモデルでもステアリングやペダルのオフセットがあまりなく、ドライビングポジションが乱されることが少ないのだが、ブレーキのタッチなどはやはり左ハンドルモデルのほうが優れているし、運転環境という点では左ハンドルにメリットが多いように思われる。アルファロメオ自身もそのことを熟知していたからこそスポーティグレードの「ジュリア ヴェローチェ」は左ハンドルのみの設定としたのだろう(なぜトップグレードの「ジュリア クアドリフォリオ」が右ハンドルのみとなるのかは不明だが...)。

左側通行では右ハンドル仕様が標準となるのは理解できるし、最近の輸入車ユーザーは日常での使い勝手を重視して左ハンドルを敬遠する傾向にあるのはわかるのだが、アルファ ロメオのような走りを追求したブランドのクルマは、ユーザーの求めに応じて全グレードで左右どちらのハンドルを選べるようにしてほしいところだ。



また、同じ理由でMTを設定しなかったことにも抗議したい。現在の日本ではMT派はすっかり少数派になったし、最近の良くできたATは走りの面でも効率の面でもMT以上に優れているのかもしれない。だが、新型ジュリアのようなスポーツサルーンはMTで乗りたいというユーザーは一定の割合でいる。4Cのように本国モデルにも設定が存在しないのなら致し方ないが、新型ジュリアの欧州使仕様には6MTモデルの設定がある。限定モデルでも構わないのでこだわりを持つ好事家のためにMTモデルもぜひ追加導入して欲しい。

どうせ受注生産となるのならエントリーグレードの「ジュリア」は、イタリア本国で主流の仕様になっているであろう、左ハンドル・6MTのモデルを導入しても良かったと思う。



信頼性とサービスが向上し
乗りやすくなったアルファ ロメオ


イタリア車というと一般に信頼性を問われることが多いが、159以降のアルファ ロメオは大幅に向上しており、かつてのようにつまらない故障に悩まされることが少なくなった。おそらくは新型ジュリアも一定以上の信頼性を確保していることだろう。

FCAジャパンのポンタス・ヘグストロム社長兼CEOによると、09年に年間8000台だった日本での販売台数は、クライスラーやジープなどの取り扱いを始めたこともあって、16年には2万台を突破し、今年は2万2000台に達する見通しであるという。販売台数の増加に伴って同社では販売網の再整備を進めている。現在、FCAの他ブランドと併売されているアルファ ロメオは、18年度中に全国60店舗での専売店で販売されるようになる。サービス体制のより一層の充実により、これまで「イタリア車は信頼性が不安」と、アルファ ロメオを敬遠していた人でも安心して購入できるようになるはずだ。



ステルヴィオがサプライズ登場!
1年以内に国内販売を開始するぞ


今回の発表会ではサプライズとして、アルファ ロメオ初のSUVとなるステルヴィオが披露された。同車は新型ジュリアと同じプラットフォームを使用しており、フロントマスクにも共通する意匠が与えられている。公開されたステルヴィオは2L直列4気筒インタークーラー付きツインスクロールターボエンジンを搭載したモデルのようだったが、シリーズの中には最高出力510psを発揮する2.9LV型6気筒ツインターボエンジンに4WDシステムを組み合わせた「ステルヴィオ・クアドリフォリオ」も存在する。価格を含めた詳細が明らかにされることはなかったが、1年以内に「ステルヴィオの国内販売する」との正式なアナウンスがFCAジャパンよりあった。

この他にも新型ジュリアには、魅力的なクーペの追加も予定されるとの噂もある。これからのアルファ ロメオから目が離せない。


前編はこちら
アルファ ロメオの新型「ジュリア」、ついに日本上陸!(前編) 自他共に認めるアルフィスタが発表会場からリポート

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アルファ ロメオ 公式サイト
http://www.alfaromeo-jp.com


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