メルセデス・ベンツ「Cクラス」は、欧州で人気が高いドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)の歴史上、最も成功を収めたクルマだろう。このレースの27年におよぶ歴史で、Cクラスとその先代である「190E」は様々にバージョンを変えながら、全156戦中84勝を挙げ、ドライバーズ・チャンピオンを10回、コンストラクターズ・チャンピオンを13回も獲得している。今回、メルセデスAMGから公開された映像を観れば、それだけの年月の間にどれほどマシンが変わったかが分かるはずだ。

DTMドライバーのカール・べンドリンガーは、ローマ近郊にあるヴァレルンガ・サーキットに、美しい「190E 2.5-16 エボリューション Ⅱ」に乗って現れた。Cクラスとなる以前、190Eの中でも最高にホットで速い最終バージョンである。攻撃的なエアロパーツとワイドに拡がったフェンダーで武装したボディには、コスワースが手掛けた2.5リッター自然吸気直列4気筒エンジンを搭載。しかし、ロードカーをベースにしたシンプルなインテリアと、昔ながらのHパターンのマニュアル・シフトは、現在のDTMマシンと比べると温和しく見える。ボンネットの先端に付くエンブレムも、そのまま残されている。

マーロ・エンゲルが乗る最新のDTMマシンは、現行のW205型をベースとした「メルセデスAMG C63 DTM」 だ。自然吸気4.0 リッターV8エンジンの最高出力は500ps程度。トランスミッションは6速シーケンシャルで、ほぼどんな公道仕様のクルマよりも先進的なエアロダイナミクスを備える。最先端のテクノロジーによって生み出された、非常に速くて物凄く高性能なマシンである。

初代の190E"エボ Ⅱ"は、市販車をベースに作られたホモロゲーション・モデルだが、DTMマシンとして開発されたC63には、市販モデルと共通する部分がほとんどない。にも関わらず、190Eは未だ衰えることなく、サーキットでは素晴らしい実力を持つことがよく分かる。新旧2台のDTMマシンの走りを、ビデオで是非ご覧いただきたい。




By Reese Counts
翻訳:日本映像翻訳アカデミー