
ドイツのSchlörwagen(シュレールワーゲン)社が第二次世界大戦開戦前の1939年に公開した幻のクルマ、「Schlörwagen」。今回は、同車のスケールモデルを製作して行われた風洞実験のビデオをご紹介しよう。
歴史的に見ると、第一次世界大戦から第二次世界大戦の間は、世界中が悲惨な状況に陥っていた。中でも、経済の崩壊やアメリカの禁酒法施行、ナチス・ドイツの台頭などが、その最たるものだろう。だが、この重苦しい時代にも、気持ちを高揚させる一筋のほのかな光があった。それは、自動車業界で起こっていた"ルネサンス"だ。
当時は、大小さまざまのメーカーが、現在にまで影響を残しているデザインや技術の開発に取り組んでいた。しかし、"トポリーノ"(イタリア語でハツカネズミの意)の愛称で呼ばれた初代のフィアット「500」、ブガッティ「タイプ57」、デューセンバーグ「モデルSJ」のように、いずれも革新的なモデルでありながら、歴史の1ページから失われてしまったクルマもある。
今回ご紹介するSchlörwagenも、同じく姿を消してしまった1台だ。7人乗りのメルセデス・ベンツ「170H」をベースに製造されたこのクルマは、2mを超す車幅にもかかわらず、空気抵抗係数(CD値)はわずか0.15。これは、エアロダイナミクスに優れた近年のクルマの中でもトップクラスのトヨタ「プリウス」とテスラ「モデルS」をしのぐ数値だ。
流線型のスタイルは徹底的に空気抵抗の低減を追求した末に誕生したものであり、ティアドロップ型のシェイプやボディと一体化した窓も特徴的だ。スケールモデルによる風洞実験では、風がクルマの周囲をスムーズに通過していく様子をとらえている。
なお、米テクノロジーメディア『Wired』では、Schlörwagenの誕生から、姿を消すことに至った経緯を、英国軍により盗まれたという説と共に紹介しているので、興味のある方は一読をお勧めする。
それでは早速、Schlörwagenの1:5スケールモデルで行われた風洞実験のビデオをご覧いただこう。
By Brandon Turkus
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
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